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キラキラ

第14章 LOVE &らぶ

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Satoshi



「はあっ………あっ………へっくち………」



思わず出たクシャミに、はあ………っと、同じく息を弾ませてた翔ちゃんが、ぶっと吹き出した。



「…………イッた直後に……くしゃみする人って、智くんくらいだよね」



ぽたりと、汗をたらしながらクスクス笑って俺に覆い被さってくるから、俺も笑いながら、その広い背中を受け止めた。


かくいう俺も汗だくだ。
たった今、いやというほど喘がされ、いじめられた直後だもん。


必死で、酸素をとりこみながら、額を流れ落ちていく汗を感じる。


「誰か………俺の噂してるんだよ」


「へえ………誰」


「……………にの、とか」


「ああ………かもな」



翔ちゃんは薄く笑って俺の顔の横に、頭をずらし至近距離でいたずらっぽく笑った。



「まさか、智くんが、他のやつとキスしちゃうなんて、思わなかった」


「……………言っただろ。俺は、翔ちゃんが思ってるより、ずーっと心が狭いの」



俺は、口をとがらして、言い返す。


俺を拗ねさせたかった、などと、バカみたいな告白をきいて、心底あきれたよ。



すねるどころか。
めちゃめちゃ怒ってたの分かんなかったのかな?



「……………芸人さんだろうが、誰だろうが、俺以外が、翔ちゃんに触れるなんて、ありえないから」


ヤキモチを妬いてるようにはみえなかった、だなんて、翔ちゃんの目は節穴?


「……………うん」


翔ちゃんが嬉しそうに笑んで俺の髪をすく。
長い指が優しく触れる感触が心地いい。
俺は、目を細めて、笑った。


翔ちゃんは、低く囁く。


「もし俺が、雅紀とキスしてたら、智くんはどうした?」


「……………え?ありえない」


言って、うーんと考えた。


「まあ……………そのときは一ヶ月は禁欲してもらうかな」


「マジ?」


翔ちゃんは、楽しそうに笑い、俺の頬に触れた。
そしてその指を、俺の唇に持ってきて、親指でつーっとなぞりあげた。


「………でも、にのにキスしたのみたときは、ちょっとショックだったな~。禁欲生活の方がマシだな」


「俺を怒らせたかったんでしょ」


「まあ………そうだけど」


「……ふふ。でも、にのには、可哀想なことしちゃった」




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