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キラキラ

第15章 1000回言って

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「腰またやられたって?」


次のスタジオの控室で、出会うなり、翔さんに言われて、面食らう。
大丈夫なのかよ、と気遣う視線に、手をふってこたえた。


「なんで知ってんのよ………」


呟きながら、苦笑して荷物をドサリとおいた。


……………潤くんだな。


あの人は、本当に気配りの人だ。
さりげなく根回しして、みんなを助けてくれる。
どれだけまわりをみてくれてるんだろう。

それでいうと、みんなそうだけどね。

翔さんの勘の鋭さ、相葉さんの温かい優しさ、リーダーのおだやかな気遣い。

嵐は、本当にいいグループだな、と思う。


「大丈夫。ちょっと冷えただけ、と思うから」


……………だからといって、床で寝たからなんて、言えない。
翔さんに怒られるの目にみえてるしな。


「松本から、連絡きてさ。フォローよろしくって」


……………。


「…………………大丈夫だよ」


答えながら、呆気にとられてしまった。


マツモト??


……………強烈な違和感。



「翔さん?」


「ん?」


くりくりのドングリ目がこちらを振り返る。


翔さん………だよね?



「……潤くんとなんかあった?」


「松本と?」


なに。その呼び方。
そのよそよそしい呼び方。


「喧嘩でもしたの?」


「(笑)なんで。なんもねえよ?」


翔さんは、くすりと笑う。
じゃあ……………なんで。


スルーしたらいいことなんだろうけど。


いつもと違うことをされると、こんなにも気になる。


慈愛に満ちた声音で、潤、と何故呼ばない?


「おっはよー」


そこへ、太陽のような笑顔をした相葉さんが入ってきて、ホッとした。

喧嘩したのか、もめたのか。はたまたゲームでもしてるのか。
翔さんと潤くんが変なんだよ、と相葉さんに訴えようとしたら、


「お。二宮。腰大丈夫?」


心配してくれる口調で、こちらに近づいてきた相葉さんの言葉に、固まってしまった。


……………あんたもかい。


「相葉さん?」


「ん?」



これ、なんだろ。
このなんともいえない違和感。


みんなで、示しあわせてんの?


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