
キラキラ
第15章 1000回言って
なんとか撮影を終え、控室に戻った俺は、ぼんやりと椅子に座ったまま動けずにいた。
感情が揺れすぎて…我ながら大分まいってる自覚がある。
……どうしたもんかな。
はあっとため息をはく。
翔さんは、次の仕事があるから、といって早々と出ていってしまった。
相葉さんもテレビ局に行かないといけないけど、時間調整で30分ほど出発時間が遅れるらしい。
その相葉さんは、ソファーに座って台本を読んでる。
俺は、そんな相葉さんをじいっと見つめた。
相葉さんの真剣な横顔を見るのが好き。
シャープな顎のラインとか、さらさらとおちる黒い前髪とか。
顎からうなじにかけての肌とか。
くっついたら、いい香りがするんだよ。
でも。
なぜだろう。
不思議なほどに届かない。
近づけない。
触れられない。
今の俺には、相葉さんに話しかけることすらできなくなってる。
相葉さんが、遠いよ。
また、あの顔で、俺を否定されたら、マジで泣いてしまうかも。
鼻の奥がツンとして、視界がゆらゆらして、相葉さんの輪郭がぼやけてきた。
……………やばい。本当に泣きそう。
「……………なあ。二宮?」
ふいに、相葉さんが顔をあげてこちらをみる。
俺は、ぎくりとして、あわてて顔をふせた。
「なあ」
「………なに」
「…俺の顔になにかついてる?」
俺は、黙って首をふった。
相葉さんは怪訝な声音で、でも、優しく聞いてくる。
「なんか、俺に言いたいことあるの?」
「…別に」
「そう?」
俺は、両手で顔を撫でるようにしながら、どさくさまぎれに、薄く張った涙もぬぐい、顔をあげた。
笑えないけど、泣いてもダメだ。
相葉さんが変わった原因が、もし俺にあるならば、泣いてもなにもかわらない。
むしろ迷惑がられるだけじゃん。
そんなの嫌だ。
「なにもないよ」
奥歯をかみしめて、じっと相葉さんを見た。
なんだか、罰ゲームみたいだ。
何を試されてんの、俺。
相葉さんは、肩をすくめて、ならいいけど、と鞄からスマホを取りだし、いじり始めた。
その動きをぼんやりと眺め、………はっとする。
昨夜の相葉さんとのやり取り。
あれを、今の相葉さんに見せたらどうだろう?
俺んちに来るって、あんたが言ったんだって、言える。
感情が揺れすぎて…我ながら大分まいってる自覚がある。
……どうしたもんかな。
はあっとため息をはく。
翔さんは、次の仕事があるから、といって早々と出ていってしまった。
相葉さんもテレビ局に行かないといけないけど、時間調整で30分ほど出発時間が遅れるらしい。
その相葉さんは、ソファーに座って台本を読んでる。
俺は、そんな相葉さんをじいっと見つめた。
相葉さんの真剣な横顔を見るのが好き。
シャープな顎のラインとか、さらさらとおちる黒い前髪とか。
顎からうなじにかけての肌とか。
くっついたら、いい香りがするんだよ。
でも。
なぜだろう。
不思議なほどに届かない。
近づけない。
触れられない。
今の俺には、相葉さんに話しかけることすらできなくなってる。
相葉さんが、遠いよ。
また、あの顔で、俺を否定されたら、マジで泣いてしまうかも。
鼻の奥がツンとして、視界がゆらゆらして、相葉さんの輪郭がぼやけてきた。
……………やばい。本当に泣きそう。
「……………なあ。二宮?」
ふいに、相葉さんが顔をあげてこちらをみる。
俺は、ぎくりとして、あわてて顔をふせた。
「なあ」
「………なに」
「…俺の顔になにかついてる?」
俺は、黙って首をふった。
相葉さんは怪訝な声音で、でも、優しく聞いてくる。
「なんか、俺に言いたいことあるの?」
「…別に」
「そう?」
俺は、両手で顔を撫でるようにしながら、どさくさまぎれに、薄く張った涙もぬぐい、顔をあげた。
笑えないけど、泣いてもダメだ。
相葉さんが変わった原因が、もし俺にあるならば、泣いてもなにもかわらない。
むしろ迷惑がられるだけじゃん。
そんなの嫌だ。
「なにもないよ」
奥歯をかみしめて、じっと相葉さんを見た。
なんだか、罰ゲームみたいだ。
何を試されてんの、俺。
相葉さんは、肩をすくめて、ならいいけど、と鞄からスマホを取りだし、いじり始めた。
その動きをぼんやりと眺め、………はっとする。
昨夜の相葉さんとのやり取り。
あれを、今の相葉さんに見せたらどうだろう?
俺んちに来るって、あんたが言ったんだって、言える。
