
キラキラ
第15章 1000回言って
そのまま、うとうとソファーで寝入ってしまい、ふと目が覚める。
帰ってきたままの格好で寝たもんだから、デニムが窮屈だし、なにより寒かった。
……風邪ひいちまう。
ちゃんとベッドで寝なくては、と時間を確認すれば、真夜中。
スマホのLINEをひらき。
首を伸ばし戸棚を眺めて。
寝る前と、なに一つ変わってない状況にガッカリする。
ノロノロ起き上がり、ぼんやりとソファーの背もたれによりかかった。
ゲームをする気にもなれない。
どうやったらもとのメンバーに。
もとの相葉さんに会えるかどうかだけを考えた。
寝て起きたら、世界が変わっていたのなら、また同じことをしたら、もとの世界に戻れるんじゃないだろうか。
そんな淡い期待を抱きながら、滲む涙を擦りソファーから立ち上がった。
……………相葉さんに会いたい。
………相葉さんが作ったご飯が食べたい
***** ***** *****
違う世界に来てしまったのでは、と認識して3日たつ。
オフとなる、今日。
俺は、朝からずっと眠ると決めていた。
寝て起きたら、もとに戻る。
そう信じて、実践するつもりだった。
布団を鼻先までひきあげて、ころっと横を向く。
このベッドで眠る時は、俺は、壁際。
エッチの時は、相葉さんは俺を逃がさないようにギリギリまで寄ってきてその大きな胸で俺を抱き込むんだ。
「……」
壁を背にして、ポッカリあいたスペースに相葉さんの幻を重ねてると、また鼻の奥がつんとしてきた。
……寂しいなあ。
ふっと、吐息をつく。
……とは言うものの、こっちの相葉さんもいいやつだった。若干真面目すぎる気もするけど。嫌いじゃない。
基本、相葉さんはどこでもいい人なんだろう。
翔さんも気配りができるお兄さんキャラ健在で。
潤くんは可愛くて。
リーダーは驚くことに、結構な俺様キャラだった。
嵐は、どんな世界でもいいグループだな、って感じた。
仕事するだけなら、問題ないかも。
慣れりゃ、そんなもんだ。
少しの違和感は、上下関係くらい。
リーダーの言うことには全員絶対服従感すらある。
でもなによりも、相葉さんの俺に対する、ただのメンバー扱いがきつかった。
「……」
だめだ、泣き虫になってる……ぎゅっと目を閉じたら、目の端からポロリと涙がおちた。
