
キラキラ
第15章 1000回言って
「……………あ…………の」
よくまわらない口で、声をあげたら、
「言わんこっちゃない。やっぱりおまえ今日は調子悪いんじゃん……………」
相葉さんは、頭上からあきれたように、だけど優しく声をかけてきた。
ちょうど、うしろから抱き込まれるような格好で俺は、仰向けになってる。
相葉さんの胸に頭を預けてる感じ………。
ひさびさに至近距離でみる相葉さんの顔。
香り。
温もり。
……………ちょ……っと。
胸がドキドキして破裂しそうだ。
そもそもが、この態勢はなに?!
動けない俺をよそに、スタッフさんが、失礼します、と俺と相葉さんのハーネスを、手早くはずした。
「起きれるか?」
自由になると、相葉さんはゆっくり、俺の体をおこし、座らせてくれた。
瞬間、ぐるんと視界がまわり、思わず目をつぶって、傍らの相葉さんの腕をつかんだ。
相葉さんは、俺の背中に手を添えたまま、自分も胡座をかいて隣に座る。
「大丈夫?」
「……………うん」
相葉さんの囁くような労る声に、小さく頷くと、
今度は急激に周りのざわめきが、耳に飛び込んでくる。
「かず!」
「二宮、大丈夫か?」
ふと顔をあげて、その時になって、初めて俺は、すごい人の輪の中にいることに気がついた。
スタッフは、もちろん翔さんたちやマネージャーまで集まってきてる。
口々にかけられる言葉に、すみません、と、頭を下げ、どこもなんともないことを伝えた。
大野さんの、「翔かわれよ」の、一言であっさり担当はかわり、俺のかわりに翔さんが登ることになった。
準備を待つ間、ぼんやり座り込んでたら、潤くんが俺の隣に座り、心配そうに覗きこんできた。
「大丈夫?」
「……………うん。ごめん」
「なに。調子悪かったの?」
「みたい。自分では分からなかったけど」
「そっか」
潤くんは、くすっと笑って、俺の頭をよしよし、としてくれた。
「さっきの相葉さん、めちゃ格好よかったんだよ」
ふふっと思い出すように言う潤くんを、ふっと見上げる。
「にの、意識ない状態で、落っこちてきたからさ。受け身とれないからハーネスついてても危ないじゃん。したら、相葉さんダッシュして、おまえを受け止めたんだよ」
