テキストサイズ

キラキラ

第15章 1000回言って

なんなんだろうなあ……………マジで。


立てた膝にのせたクッションに顎をのせて、ぼんやりとここ最近のことを思う。

仕事や、立場や、スタッフ、マネージャーとの関係性は全くそのままだ。
なのに、メンバー内の関係性だけがおかしなことになってる。

仕事のみを粛々とこなすだけなら、問題ないのだが、関係が関係だっただけに……………。


………なんかの罰ゲームだとするならば、もう本当に勘弁してほしい。


相葉さんの温もりが完全に不足していて、俺は、限界に近かった。


コロンと横になる。


この家に来たら、ますます辛くなるかもと思っていたが、辛いと同時に懐かしさにひたれるメリットもあった。

ふかふかのソファーに、相葉さんちの匂いのするクッションは、俺の精神を安定させてくれる効果抜群で。


思わず深呼吸して目を閉じた。


すると、夕飯をつくってくれてる相葉さんの気配にも安心感を覚え、俺は、いつのまにか深い眠りにおちていった。





にの、こんなところで寝ちゃダメじゃん。風邪ひくよ?


………優しい声がする。


ほら、起きて起きて。
お風呂入って寝なきゃ。
ね、どーする?一緒にはいる?


………ばかか、おまえ。絶対はいんねーよ。


あー!そういうこという?
無理矢理はいっちゃうよ俺。



………鍵しめとくし。



あけちゃうし。そんなん。
俺んちだよ。鍵なんか、ないようなもんだかんね。



………じゃ、入らない。



は?なにいってんの。
ほらーとりあえず起きて?



………起こして。



俺は、両手をあげて、やつの首にまきつけた。
やつは、くふっと優しく笑って、しょうがないやつといった。
その顔がすごく男前で、俺は微笑んでやつの首を引き寄せ、キスをした。







「……………あいばさん………」






「…にの………みや?」


至近距離できこえた、戸惑う声に、一気に我にかえった。
鼻先がつくほどの位置に、驚きに目を見開いた相葉さんの顔。


「……………え」


俺の腕は、相葉さんの首にまきついていて。

たった今、夢うつつに感じた唇の感触は、口づけを裏づけるような位置にある、相葉さんの驚いた顔でキスをしたことが分かった。


「あの……………」


赤くなってる相葉さんの顔。


……………どうしよう。キスしちまった!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ