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キラキラ

第17章 🌟

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ギシリ……とベッドが音をたてた。


ゆっくりと瞼をあけると、窓からさしこむ白い月明かりのなか、ベッドに腰かけるミヤの姿をとらえる。


「遅いよ……寝ちゃってた」


ふふ、と笑って、体をおこす。
栗色の髪が、さらさらと肩をながれ、それが邪魔で、俺は軽く首をふった。


「あんまり、気持ち良さそうに寝てるから、このまま寝かせようかと思ったくらいです」


ミヤが微笑むから、俺は両手をのばして、ミヤの首にまきつけた。


「やだよ。起こさなかったら怒るかんね」


「……ですよね」


ふっと笑って、ねだるように顎をあげたら、ミヤは、顔をかたむけて唇をおとしてきた。


チュ………と触れるだけのキス。


唇がゆっくり離れると、俺は、ミヤに抱きついた。ミヤも片手を俺の腰に回し、ぐっと抱き寄せてくれる。



「この時間以外で……キスなんて言葉を口にしたらダメですよ」

 
「だって。したかったんだもん」


「………ばれたら、私は、追放されます。あなたのそばにいれなくなる」

 
「大丈夫だよ」

  
「大丈夫じゃない。もっと危機意識をもってください」


「……ううん。そうじゃないよ。その時は、一緒に逃げるから、大丈夫っていってんの」


俺が言うと、ミヤは、絶句して固まった。


「サトコさま…」


「サトシ」


言い直して。
今はサトシ。

 
目で訂正をもとめると、ミヤはふわりと笑った。
昼間には絶対に見ることのない、素顔。
実はミヤはこんなにも綺麗に笑う男なんだ。


「……………サトシ」


「うん」



「…今日は?」 



「…今日はね、下の気分」


「承知」



ミヤは、俺の言葉にゆっくりと自分のシャツのボタンをはずしはじめた。


あらわになっていく白い肌を見つめて、俺はコクンと息をのむ。


何度も肌をあわせてるはずなのに、この瞬間はなんだか緊張するんだ。
 

ミヤは、そんな強ばった顔をしてる俺をみて、くすりと笑った。


「そんな目でみないで」


「……ミヤ」



「カズ、でしょ」



「カズ……」



照れながらその名を呼ぶと、俺は、カズにゆっくりと押し倒された。


「サトシ………」


「カズ……」

ベッドの中だけの呼び名。
この名のときだけ、二人とも素顔になる。

………素直になる。



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