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キラキラ

第19章 バースト3


……そりゃ、起きるわな。
あんだけ、好き勝手キスされりゃな。


俺は、コクンと息をのんだ。
濡れた唇を噛んで、戸惑いをかくせない表情の潤をみつめる。
ソファに横向きに寝転んだままの姿勢で俺の胸をぎゅっとつかんでる。
俺は、身をおこし、ゆっくり潤の体を仰向けにした。
そして、ソファに座り潤を上から見下ろした。



うまい言い訳が……思いつかない。



激昂して怒鳴ってくれりゃいいのに。
気持ち悪いからやめろって笑ってくれりゃいいのに。

潤は、瞬きしたら涙がおちるんじゃないか、というくらい水っぽい瞳で、ただひたすらに俺を見つめていた。



なんで。

どうして。



訴えてんのがわかる。
そりゃ、そうだろ。
寝込みを襲われたんだ。




「………」




俺は、決めた。




潤に想いを伝えよう。
誤魔化すなんて性にあわない。
キスした時点で、俺もどこかで覚悟してたんだろうな。
怖いくらいに落ち着いてる。
当たって砕けたって、いい。
その時はその時考えりゃいい。


……って、あれ?
かずは、砕けないよ。って言ってた。
このことか……?



「………翔……」



黙ったまま何もいわない俺に耐えかねたのか、潤が小さく俺の名を呼ぶ。


「あの…」



「好きだ」



「……え?」



「お前が好きだ」



ぱち……と瞬きした潤の瞳から涙がこぼれた。



「……気持ち悪いよな。ごめん。でも、おさえられなかった」


人差し指で、潤のこぼれた涙を拭う。
それがあまりにも綺麗で、目元にもそっと唇をよせた。
潤が、ぴくっと体を震わせた。
髪をさわりながら、小さく笑ってやる。



「……こんな俺は嫌だよな?」



「…………」



なあ。砕けねえんだよな?
かず?


押し黙ってる潤。
だけど、目だけは俺を離さずにじっと見てる。
だから、俺も視線を外さない。


期待してもいいか?


もう一度唇をそっと重ねて、ゆっくり離し、額がぶつかるくらいの位置から囁いた。



「………嫌?」



「……や…じゃない」



カスカスの小さな声が返ってきた。
俺は、思わずくすりとわらった。

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