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キラキラ

第20章 🌟🌟

「心配してくださってるんですね」


ミヤが、苦笑して俺の目をじっと見つめる。


たりめーじゃんか。


俺は、ミヤの澄んだ茶色い瞳をじっと見つめ返した。

俺がいうのもなんだけど、マサキ王子はとにかくカッコいいんだ。
手も足も長くて、顔も小さくて。
声もいい。
そして、多分性格もいい。
そんなオトコが、ミヤを狙ってるという。


不安にならないはずがないだろう?


口をへの字にして、俺はドレスにあしらわれた宝石をいじりながら、うつむいた。
すると、ミヤは、素早く周りに目を走らせて誰もいないことを確認した。
そうして、俺の顎に細い指をそえ上向かせると、
チュッとキスをした。


「!」


夜中の逢瀬以外で、キスされたのは初めて。
まして、近くの大広間では舞踏会の真っ最中という、スリリングな状況に、俺は、ほぇっという顔で固まってしまう。


ミヤは、コホンと咳払いをして、ふっと笑った。
そして柔らかな声で囁いた。


「大丈夫。私はあなた以外に、このような感情をもつことはありません」


涼やかな瞳で見つめられ、はっきりと言われる。頬が赤くなるのが分かった。


かーっこいい……


ミヤは、くすりと優しい笑みになり、俺の腕をとった。


「さ。戻りましょう」


「……うん」


ミヤに促され、俺はゆっくり立ち上がった。
ブルーのドレスがふわりとふくらんだ。
キラキラ輝く宝石に、ミヤは、眩しそうに目を細めた。


「……今日の衣裳も素敵ですね」


「そう?」


「あなたによく似合ってる。……まあ。ちょっと露出多い気もしますが」


むき出しの肩に触れ、ミヤは、困ったように言った。


「……しょーがねーじゃん。母上が決めたんだもん」


「あなたこそ気をつけて」


「……なにに?」


「今日は、松の国のジュン王子もいらしてますから」


「……はあ?」


あの手癖の悪いやつか?

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