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「…………」

その言葉に隣をみやると、ニノは、ビール缶を両手で持ったまま、一点をみつめてじっとしてる。

表情は……なんだか、やっぱり泣きそうな顔。

「……何。どうしたの？」

肩をひきよせて俺にもたれかけさせると、素直に体重をあずけてきた。

「なんか辛いことあった？」

「…………大丈夫」

言いながら肩口に顔をうめてくる。
可愛いんだけど……本当になんだか心配になってくる。

「あいつ、もっとやっつけとけば良かったね」

囁くと、ニノは、くすっと笑って顔をあげた。

「俺は、相葉さんのもの？」

「そうだよ……だから、誰にも触れさせないし、渡さないよ」

その顔が、あまりに頼りなげで、綺麗で、思わず抱き締めた。
華奢なニノの体が折れそうなくらい、力をこめる。
「うん……」

ニノは、ふうっと、ため息をついて、俺の肩に顔をのせて、呟いた。

「……キスしてってば」

ドキリとする。
俺は、平静を装いながら、ふふっと笑った。

「……いいよ」

体をそっと離して、ニノの手に持ってる缶を取り上げて、テーブルに置きながら、唇を近づけた。

ニノの両腕が、俺の背中にまわる。

「……ん」

重なった唇から、漏れたニノの吐息に煽られて、俺はニノの口をこじあけて、一気に深くくちづけた。

唇を甘く噛み、舌でニノの舌をからみとれば、ちょっと苦しそうに眉をよせて、反応しようとしてくる。それが、嬉しくて、何度も何度もくちづけた。

水音が甘くて。

吐息が甘くて。

ニノのすべてを感じたくて、漏れる唾液すらいとおしくて、俺は、ひたすらニノの唇を貪った。

「……ん……う……あ…はっ……はっ……」

唇を離すと、力がぬけたニノが大きく息を弾ませてすがりついてきた。

「ニノ……」

「あ……ばさん……もっと……」

「え……？」

「もっと……して……」