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キラキラ

第20章 🌟🌟

*****


扉が静かに開く音がした。


俺はベッドの上で膝を抱えて座り込みながら、暗闇から現れる彼を待った。

ほどなくして、シルクのシャツに、ゆるいパンツ姿のオフモードのミヤが姿を見せた。
ミヤは、足音を忍ばせながらゆっくり歩みより、ベッドのはしにそっと腰かけて、俺の目をみて笑った。


「……起きてたんですか」


「うん……」


「足はどうですか?」

 
「大丈夫」


少し腫れていた足は、ずっと冷えた布で冷やしていたおかげか、だいぶ痛みもひいていた。

踊ってて、足を負傷するなんて、一国の姫として洒落にもならない。
カッコ悪いことこの上ない。

だからこそ、あの場面で、柔軟に対応してくれたジュン王子には感謝してもしきれなかった。
騒ぎにもならず、自然とその場から退出できて。
スマートだった。

エロ王子なんていって、悪かったな。
まあ……でも、俺を動揺させたのは、あいつなんだけどな。

ぶつぶつ思いながら、抱えた膝に頭をのせて、ミヤを見上げると、ミヤは、手をのばし、優しく俺の髪をさわった。


「……不安にさせてすみません」


「……本当だよ」


ミヤが謝るもんだから、ついつっけんどんに返してしまう。


するとミヤは、苦笑いして、


「あなたがどんくさいことするからですよ。あなたの様子がおかしいから、ちょっときてほしいって、マサキ王子が直々に俺を呼びに来たんだから」

なんていうものだから、カチンときた。
問題はそこじゃないだろ?!


「だからって!体に触らせることはないよね?!」


「……こだわりますね」


「あたりまえだろ」


口調を荒げ、ブスッとして口を膨らます。
 

……多分不安なんだ。俺は。


背もたかくて。
カッコ良くて。
俺にないものをたくさんもってるマサキ王子が本気でミヤを口説いたら、ミヤもそっちになびいちゃうんじゃないかって。


じっと黙ってると、
 

「……すみません。気を付けますね」 
 
柔らかく囁かれて、体の力がぬけた。

顔をあげると、ミヤの唇がおちてくる。
チュッ…チュッと、目元や頬にたくさん唇がおしあてられ。


「……ミ…ヤ……」


俺が吐息をもらしたのが合図であるかのように、


「……んん…」


ミヤの唇が俺のに重なった。

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