
キラキラ
第20章 🌟🌟
Kazu
「……」
ぼんやり目をあけた。
……久々に意識とんだのか……。
重い腕をあげ、前髪をかきあげなから、真っ先に周囲に視線をめぐらす。
窓の外がまだ真っ暗なのに安堵した。
朝は来ていない。
さっさと、この部屋をでないと、誰かに見つかったらややこしいことになる。
体を起こそうとして、隣にある気配に目をむけた。
全裸の俺に寄り添って眠る愛しい人。
彼もまた、何も身に付けていない。
ついさっきまで、俺を抱いていた雄々しい表情はすっかり消えていた。
かわりに、長いまつげをふせてすやすや眠る表情は、天使みたいだ。
しばられてた髪の毛は、ほどかれ、サラサラの栗色の長い髪が、サトシの裸の細い肩をおおってる。
俺は、シーツをそっとひっばり、サトシの体にかけた。
お互いの体に残っていたであろう情事の痕跡は、サトシが拭き取ってくれているようて、あらかた綺麗になってる。
ただし、開かされた体に何度も送り込まれた精は、そう簡単には処理できてない。
あとで、こっそり自分でしないといけない。
………この後始末が、一番体が疼いて辛いんだよなあ。
苦笑して、サトシの頬にそっと指をはわせた。
まあ、サトシにしたって、俺が気を失ったから、どうにも処理できなかったんだろう。
しょうがないか。
「フフ……」
むにゃむにゃ動く口元が可愛らしい。
誰よりも美しくて、可憐で、それでいて、男前なサトシ。
この人には、決まった性別なんていらないんじゃないか、と思う。
男でもあり、女でもある。
まさしく中性的な不思議な魅力をもつ人だった。
昔から俺は、あなたの虜だ。
姫だと思ってたあなたが、男だと分かっても何もかわらない。
むしろ、さらに心がひかれた。
それくらい大事な、……大事な人。
ただ、最近思うのだ。
サトシが、人のものになったら、俺はたえれるだろうか、と。
身分が違いすぎて、俺たちには現状維持の選択肢しかない。
未来は……ない。
だけど、サトシは一国の姫だ。
実は、サトシが男だとわかっても、それでもいいと言う相手があらわれたら?
例えば、ジュン王子。
例えば、マサキ王子、ショウ王子。
あんな魅力的な王子たちが、本気でサトシを奪いにきたら。
気持ちは誰にも負けない自信はあるが、そもそも立場が違う。
……俺は…戦える?
