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キラキラ

第20章 🌟🌟

このことを考えるたびに心がざわつく。

俺は、そんなにできた人間なんかじゃないから、サトシの幸せのために身をひきます、なんて絶対言ってやらない。

絶対別れてなんかやらない。



ただ……もしも。

もしも……サトシがそれをのぞんだら。



「……やめた」


もしもなんて、考えるのはよそう。
起こってもいないことに、ざわざわするのは胃に悪い。

ふっとひとつため息をついて、俺は、サトシの髪の毛にそっと指をとおし、ゆるやかにすいた。
あたたかい体温に触れ、いとおしさが増す。

「ん……」

サトシがコロリと寝返りをうった。
すうすうと規則正しくきこえる寝息。
あらわになった白い首筋。
赤い唇。


俺は、そっと、顔を寄せ、その唇をふさいだ。


少しでも長く。

一分でも一秒でも長く。


一番近い位置で、この場所で。

あなたを見守れますように。


………愛してる、サトシ。

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