キラキラ
第21章 ひぐらし ~バースト4~
「ちょっ……かずっ……!?」
相葉くんの息をのむような声とともに、たくましい腕にだきとめられたのを感じた。
視覚が暗く狭まる。
まるで耳に手をあてて塞がれているかのように、周りの声が、聞こえづらい。
相葉くんが、焦ってるのが分かる。
「なにっ……大丈夫!?」
待って……
グルグルしてる頭。
平衡感覚がおかしくなってる。
足元がフワフワする。
「かずっ」
待って……ただの貧血。
つぶっていた目を、うっすら開けた。
相葉くんの腕をぎゅっとつかみ、もう一度植え込みにゆっくり座りこんだ。
相葉くんも一緒になって座ってくれる。
「……かず?」
「……ごめん……平気」
小さく呟いて、相葉くんの腕を支えに、体を持ち直した。
「……真っ青だよ」
相葉くんが心配そうに俺をのぞきこんで呟いた。
「うおい。相葉。そいつ大丈夫か?」
「相葉くん……」
「悪い。ちょっと休んでから行くわ。みんな先行ってて」
「おう」
「じゃ、席おさえとくぜ。そいつも来んの?」
「うん!よろしく」
……勝手に決めんなよ。
心で毒づくが、気持ち悪くて言葉も出せない。
「相葉くん、早く来てね」
……マネージャーの声が、どことなく苛立っているようなニュアンスに聞こえるのは俺の気のせいだろうか。
部員たちが去り、あたりが一気にしんとなった。
どこかでアブラゼミがないてる。
知らずつめていた息をゆっくり吐き出した。
なんだか、頭痛までしてきた。
黙ってると、相葉くんが、何やら隣でがさごそしてる。
うつむいたまま、視線だけぼんやりそちらに走らせると、ボストンバッグの中から、クーラーバッグを取り出し、溶けかけた保冷剤をだしてきた。
「弁当用だけどね」
ポツリといい、それを、俺の首筋にピタッとあててくれた。
……気持ちいい。
「暑さにあたったんじゃないの?かず、あんまり外に出ないって言ってたじゃん」
「……そうかも」
「水分は?」
「あ……リュックの中」
そのまま、今度は俺の鞄をがさごそして、さっきの飲みかけのボトルを探しあててくれた。
「ほら、飲んで」
片手で、器用にふたをあけ、俺の手に持たせてくれた。
相葉くんの息をのむような声とともに、たくましい腕にだきとめられたのを感じた。
視覚が暗く狭まる。
まるで耳に手をあてて塞がれているかのように、周りの声が、聞こえづらい。
相葉くんが、焦ってるのが分かる。
「なにっ……大丈夫!?」
待って……
グルグルしてる頭。
平衡感覚がおかしくなってる。
足元がフワフワする。
「かずっ」
待って……ただの貧血。
つぶっていた目を、うっすら開けた。
相葉くんの腕をぎゅっとつかみ、もう一度植え込みにゆっくり座りこんだ。
相葉くんも一緒になって座ってくれる。
「……かず?」
「……ごめん……平気」
小さく呟いて、相葉くんの腕を支えに、体を持ち直した。
「……真っ青だよ」
相葉くんが心配そうに俺をのぞきこんで呟いた。
「うおい。相葉。そいつ大丈夫か?」
「相葉くん……」
「悪い。ちょっと休んでから行くわ。みんな先行ってて」
「おう」
「じゃ、席おさえとくぜ。そいつも来んの?」
「うん!よろしく」
……勝手に決めんなよ。
心で毒づくが、気持ち悪くて言葉も出せない。
「相葉くん、早く来てね」
……マネージャーの声が、どことなく苛立っているようなニュアンスに聞こえるのは俺の気のせいだろうか。
部員たちが去り、あたりが一気にしんとなった。
どこかでアブラゼミがないてる。
知らずつめていた息をゆっくり吐き出した。
なんだか、頭痛までしてきた。
黙ってると、相葉くんが、何やら隣でがさごそしてる。
うつむいたまま、視線だけぼんやりそちらに走らせると、ボストンバッグの中から、クーラーバッグを取り出し、溶けかけた保冷剤をだしてきた。
「弁当用だけどね」
ポツリといい、それを、俺の首筋にピタッとあててくれた。
……気持ちいい。
「暑さにあたったんじゃないの?かず、あんまり外に出ないって言ってたじゃん」
「……そうかも」
「水分は?」
「あ……リュックの中」
そのまま、今度は俺の鞄をがさごそして、さっきの飲みかけのボトルを探しあててくれた。
「ほら、飲んで」
片手で、器用にふたをあけ、俺の手に持たせてくれた。