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キラキラ

第21章 ひぐらし ~バースト4~

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それから、ゆうに一時間後。
マクド二階の一角を占領したバスケ部軍団の中に加わった俺は。

……こいつらの家庭教師か?というような立場にたった。


「二宮さーん、これは?」

「……nが奇数の時にさ、bを-bに置き換えて考えてみなよ。そのテキストの……ここに解き方あるだろ」

「えー?わっかんね。二宮さーん」

「このページの乗法の公式、全部覚えろ、まず」

「二宮さーん、これどーやんの」

「……英語はパス」 

「えええっ!?」


情けない声をあげる部員に、ちゅうっと、薄いコーラを飲みながらクスクス笑った。


ワークやらプリントやらを前に、でかい背中を丸めて、意外にみんな真剣に取り組んでる。

その姿は、さっき初めて出会った時の迫力とは程遠く、なんだか、ほほえましくもあった。


そろいもそろって、毎日部活しかしてないのだろう。
聞けば、夏休みの課題の進捗状況は著しく悪い。


相葉くんの話では、家に帰っても、疲れて寝てしまうから、時々こうやってみんなで集まって宿題をしているんだそうだ。


仲がいいんだな。


ちゅう……と、コーラを少しずつ飲んでたら
、頭をうんうん抱えながら、ようやく一ページ終えたやつが、顔をあげてポツリと言った。


「二宮さん頭いいんだなあ……」


「そーだよ!かずは、すげーんだから」


なぜか嬉しそうに、相葉くんが隣でポテトを口にいれながら言う。


……あなたがいうの?(笑)


照れ臭くなり、相葉くんのポテトに、俺も手をのばした。


「相葉くん。そっちの長文はもうよんだの?」


俺は、相葉くんの隣に座ってるが、相葉くんの逆サイドには、あのマネージャーがぴったりはりついていた。
さっきから見てたら、甲斐甲斐しく相葉くんの宿題のお世話をしてるようだった。


相葉くんが、勉強大嫌いオーラを出しながら情けない顔で首を振る。


「えー……まだ」

「それ読まないと、こっちのページ終わんないわよ」

「分かんねーもん」

「単語?」

「全部」

「バカね。とりあえず、やりなさいよ」


…………。


英語科という彼女は、得意分野を生かして、相葉くんの課題をお手伝いするようだ。
たまたま、相葉くんが家からもってきた課題が、英語のワークだったこともあり、張り切ってるみたい。



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