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キラキラ

第21章 ひぐらし ~バースト4~

相葉くんと、俺たちのやりとりをみて、他のやつらも気がついたようで、

「あ!二宮さん!」

「オッス!」

「お久しぶりです!」

と、口々に言いながら、何人かがわらわらと集まってきた。
見覚えがあると思ったら、あのとき、勉強を教えてやったやつらだ。

「え。なんでこいつら、かずのこと知ってんの?」

潤くんが不思議そうに、俺を見る。
俺は、肩をすくめてみせた。
 
「……ちょっと家庭教師の真似事をしたんだ。一回だけ」

「へぇ……」

マクドで大きな体を丸めて、ウンウンうなってたやつらとは思えないほど、そろいのユニホームを着て笑ってる彼らは、生き生きしてる。

化学のノートが真っ白だった茶髪なんかは、
「夏休み終わるまでに、また来てくださいよ」
なんて、とびきりの笑顔で叫んできた。

なんだよ、また宿題手伝わせる気かよ?

にっこり笑って、曖昧に頷いてみせた。

なんだか、落ち込みぎみだった気分が、こいつらのおかげで少しだけ浮上する。

そんななか、相葉くんが、上級生の方をチラチラ気にしながら、みんなを促す。

「よし、みんな戻ろ。潤、かず、俺ら二試合目だからね」

「応援してくださいよー!」

「頼みますよー」

「松本もついでに頼んだぞー」

みんなそれぞれに賑やかに手を振って、わいわい走っていく。
一試合目に、上級生のスタメンチーム。
二試合目に、一年生、のようだ。


「は。ついでってなんだよ……」


小さく呟く潤くんの横で、俺は、唇をかんだ、


ちょっぴり不信感。
いや、だいぶ……不信感。

なんなの。

なんなんだよ、相葉くん。

潤。かず。って。

呼び順。間違えてない? 
俺のこといつでも一番じゃなかったっけ?
かず。潤、だろーがよ。

おまえ、俺のこと………………。

「……」

駄目だ。笑えない。


「……かず」

潤くんが遠慮がちに声をかけてきた。


「……え?」

「あの……あとで雅紀シメとくからさ?」

「……あ、うん」

「笑って」

「……」

「怖いよ、顔」

「怖くないよ」


理由が見えないから、不安なんだ。

やっぱり女の子がいいと思ったから、俺から距離おいてんのかな?

それとも……案外めちゃくちゃバスケが下手だったりして。
それを知られたくないとか!



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