キラキラ
第1章 アーモンド
押し付けられた軟らかな感触。
潤のいつもつけてる香水が、ふわっと香る。
俺の指先が、ピクッと動いたのには、気づかれなかったみたいで。
すぐに体が離され、逃げるように潤が出ていく。
「…………」
ドクドクなる心臓だけが、妙にリアルだ。
今のは夢じゃない。
潤が、俺にキスした。
(どういう……意味にとればいい……?)
数学や、化学の問題を解く頭では、処理できない。
はっきりいって、こういう問題には、慣れていないんだ。
こと、自分に関しては。
潤の小さな声。
(好きなんだよ…)
確かにそう聞こえた。
誰を……?
俺?
笑って混ぜ返す問題じゃない。
かといって、こんなこと誰にもいえない…。
「翔ちゃーん、交代」
ガチャっと扉があいて、智くんが入ってきた。
「あ?……ん、分かった」
「…?翔ちゃん?どうかした?」
「え?」
「…顔赤いし。なんか困った顔してる」
「…いやいや、なんもないよ」
あわてて笑顔をはりつけて、立ち上がった。
「あ、これ、智くん?ありがとね」
ブランケットをたたみながら、お礼をいうと、智くんは、ニコッと笑ってみせた。
「あんまり、無理しちゃダメだよ」
「大丈夫、大丈夫」
「俺、このあと取材入ってっから、もう出るね」
「うん……え??!」
声がひっくり返った。
「なに…?驚くとこ?」
肩をゆらして、笑いながら着替え始めた智くんに、
「いや、…まあそうなんだけど」
むにゃむにゃと言葉を濁して、内心頭を抱えた。
(どんな顔すりゃいいんだよ…)
潤のいつもつけてる香水が、ふわっと香る。
俺の指先が、ピクッと動いたのには、気づかれなかったみたいで。
すぐに体が離され、逃げるように潤が出ていく。
「…………」
ドクドクなる心臓だけが、妙にリアルだ。
今のは夢じゃない。
潤が、俺にキスした。
(どういう……意味にとればいい……?)
数学や、化学の問題を解く頭では、処理できない。
はっきりいって、こういう問題には、慣れていないんだ。
こと、自分に関しては。
潤の小さな声。
(好きなんだよ…)
確かにそう聞こえた。
誰を……?
俺?
笑って混ぜ返す問題じゃない。
かといって、こんなこと誰にもいえない…。
「翔ちゃーん、交代」
ガチャっと扉があいて、智くんが入ってきた。
「あ?……ん、分かった」
「…?翔ちゃん?どうかした?」
「え?」
「…顔赤いし。なんか困った顔してる」
「…いやいや、なんもないよ」
あわてて笑顔をはりつけて、立ち上がった。
「あ、これ、智くん?ありがとね」
ブランケットをたたみながら、お礼をいうと、智くんは、ニコッと笑ってみせた。
「あんまり、無理しちゃダメだよ」
「大丈夫、大丈夫」
「俺、このあと取材入ってっから、もう出るね」
「うん……え??!」
声がひっくり返った。
「なに…?驚くとこ?」
肩をゆらして、笑いながら着替え始めた智くんに、
「いや、…まあそうなんだけど」
むにゃむにゃと言葉を濁して、内心頭を抱えた。
(どんな顔すりゃいいんだよ…)