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キラキラ

第21章 ひぐらし ~バースト4~


かずの、水分の多い茶色い瞳や、白くつるんとした頬に、どうしようもなくひかれる。
柔らかい笑顔や、静かな物腰に、どうしようもなく心がきゅんとする。

あいばくん、と名前を呼ばれたくて。
我慢できなくて、何回か電話もしてしまった。

それくらい、男であるかずを好きな自分に、ある意味開き直れてきてる。

我ながら、感情駄々漏れなことは自覚してるし。

だけど、さすがに暴走しすぎかな、かず、ひくよな、と思っていたら、最近になって、智さんの恋人が男だってことをきいて、なおさら歯止めがきかなくなった。

だって、こんな身近にそんなカップルがいるってことは、男同士の恋もあるって理解してくれてることだもの。

そうだよね?かず。


「ん……」

「……!」


すうすう寝てるかずが、まるでビームのような熱い俺の視線を感じたかのように、少しみじろいで寝返りをうった。

ちょうど背もたれに顔をむけるような体勢。

かかってたタオルケットが、パラリとはだける。

Tシャツのすそから白い脇腹がみえ、心臓がドキンと高鳴った。

はいてる短パンからもすらりとしたむき出しの白い足がみえる。

こいつには、脛毛はないのか??というくらい、つるんとした肌に、目眩がした。


ひ……冷えるよ?


ドキドキしながら近づいて、そおっとそおっとタオルケットを手にし、ふわりとかけ直した。

すると、かずの綺麗なうなじのラインが目に入り、頭が爆発しそうになる。
Tシャツの襟ぐりから、わずかにみえる鎖骨とか鼻血もの。

……つか、こんな目のやり場に困るようなだぼついたTシャツ着るなよ!


ドキドキしすぎて、酸欠になりそうだ。


手をのばせば触れる距離にいるかず。


かずの体温を感じたくてたまらなくなり、そっとその上下する薄い肩に。


……触れた。


「……え……」


同時に……ふわり、ふわりと流れ込んでくる何か。

一瞬、手を離し、

「………?」

もう一度触れる。


温かなイメージ。


……わ……これ……


それは、まぎれもなくかずの心だった。



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