キラキラ
第22章 1ミリのユウキ
広いソファにもたれ、ビールをかたむける。
チビチビ飲みながら、今日の一人反省会。
あのコメントはもう少し掘り下げりゃ良かったな、とか、あの自分の動きは悪かったな、とか。
次に繋げるためにつらつらと考えていた。
だけど。
どれほど仕事で頭を埋めようと思っても、最後に頭に浮かぶのは、やはり一人の男。
グラスに口をつけたまま、テーブルの上の静かなスマホを、じっとみつめる。
……声が聞きたいと思うのは我が儘なんだろうか。
顔が見たいと思うのは、俺だけなんだろうか。
ここ最近、俺に大きな仕事がたてこんでいたのと、ライブやなんやで、ずっとバタバタしていて。
5人で過ごすことはあっても、2人きりっていうのは、ほとんど皆無な状態だった。
それは、つまり2人で触れあうこともないわけで。
……つまりしてないわけで。
自分の思考に、体がぼわっと熱くなる。
潤の色っぽい低い声や、熱い囁き声を思い出す。
俺の体を抱き締め、あろうことか俺の事を可愛い、という。
否定すれば、そんなことはないとばかりに、深い口づけをくれる。
あの白く長い指で、体のさまざな部分に触れ、高みに引っ張りあげながらも、時々意地悪をして、俺を翻弄するんだ。
「……」
コトンとグラスをテーブルにおき、スエットの中に、ゆるゆると手をいれた。
……ドクンドクンと、自己主張をしてきてる熱いものに指をかける。
「……っ」
そのままゆっくりと手を動かすと、それはみるみるうちに硬く主張してきた。
「……ぁ」
体内を熱く激しいものがふきあれる。
ズクン……と後ろも疼き始めたが、さすがにそこに指をいれる勇気はなくて……少し前屈みになりその感覚を散らす。
潤の指が。
手のひらが。
自分の体をまさぐる感覚を必死に思い出しながら……、
……気持ちいい?
「……んっ……」
好きだよ
「俺…」
愛してる、翔くん
「俺も……っ…ぁ」
体がピクリと震える。
慌てて傍らにあったティッシュを、乱暴に抜き取りかぶせた。
「…ん………んっ」
大きく肩をゆらす。
「……っ……はぁ」
どんだけたまってんだ、俺。
温かいティッシュと、少し弱まった塊を握りしめソファにもたれて天を仰いだ。
恋人ならなんとかしろよ。
もっと俺を欲しがれよ……潤。