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キラキラ

第22章 1ミリのユウキ

いやいや。
そんな顔されても、まったく身に覚えがないんだけど!

つか、おまえのそのキャラなら絶対そっちからしかけてきたんじゃねーの?って話だけど!


「…み、見間違えじゃない?」


俺が、取り繕うようにやわらかく否定しようとしたら、


「ぼくもみたよ」


キリンに尻尾をつけながら、真下からぼそりとかずくんが、援護射撃。


「ね」

「うん」


首をちょんとかしげたかずくんに、にこにこと、まーくんまで頷いた。


先生の仮面が剥がれ落ちてる潤は、既に茹で蛸のように真っ赤になってる。
平静を装おうとしてるけど、何回も腕まくりを繰り返してるところをみると、焦ってるのがみえみえだ。

俺は、といえば、身に覚えがないものだから照れるも何も……という話なのだが、潤の馬鹿正直な反応を見る限り、本当なのだろう。

夢とはいえ……園児の前でちゅうは、ダメだよなあ。
てか、いつどこでしたんだか。
堂々と、じゃないだろ。


俺が考えていたことを読んだかのように、かずくんが、俺を見上げ、にこりとした。



「こないだかくれんぼしてたときに見たよ」

「うんうん。倉庫でね」

「してたよねー」


三人で、ねーって楽しそうに頷きあってる。


倉庫って……倉庫って。
さかりすぎだろ、俺ら。

……にしても。
夢んなかでもつきあってんだ…。


潤の反応も含めて、焦るどころかちょっと嬉しくなってると、潤は既にここから離脱するかまえだ。


あ、逃げるんだ。

ずりーぞ。
お前がしたことなんだろ。
責任もてっつの。


なんて考えたら、さとしくんが面白そうに爆弾をおとした。


「でも、あれさー、まつもと先生、やだって言ってたよね」


ん?


「うんうん。でも、さくらい先生がぎゅって、つかまえたんだよね」


…ちょいまて。



「そーそー。そんで、さくらい先生がむりやり……」



「ストーーーーっプ!!!分かった!分かった!先生が悪かった!」



聞くにたえなくなり、無理矢理話に割り込んだ。


………俺かよ!!


冷や汗をかきながら潤をみたら、今度こそぷいと歩いていってしまった。


「…むりやりはダメだよー?」

「ねー」

「そりゃ、ケンカになっちゃうよね~」


うるせー!


なんだよ、この会話!
お前ら園児の顔しといて、実は中身そのままだろ!?

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