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キラキラ

第22章 1ミリのユウキ

「会いたいって……言ってくれて嬉しかった」

潤が静かに囁く声を、くすぐったい思いで聞く

肩口に顔をのせたまま、笑顔になるのをとめられず、抱き締める腕に力をこめ、それを返事とした。


すごい。
素直になるってこういうことか。
あんなに、遠慮しあってたのに、こんな言葉を潤から引き出せるなんて。


潤の温もりと香りに包まれて、しばらくじっとしてると、潤も俺を抱き締めながら、俺の髪に顔を寄せてる感じだ。
すごく、幸せな気分。

「……翔くん、痩せた?」

「……え?」

ふと、背中をさわさわとかき抱きながら、潤が心配そうな声をあげた。

「そうか?」

「え、食べてる?ちゃんと」

「……食べてるよ」

「昨日は?何食べた?」

「……キムチと、枝豆」

「つまみだけ?」

「あ、あと貝」

あきれたように潤が体を離した。
俺は、叱られた子供のように、潤を上目遣いに見つめた。

「ふっくらしたり、痩せたり、極端なんだよ……翔くん」

「……一人だと食べる気しねーもん。合鍵渡してるだろ。俺ん家来てよ」

ぼそりと告げた言葉に、今度は潤が目を見開いた。


不思議だった。
普段言いたくて言えなかったこと。
言いたくて我慢してたことが、するすると口をついて出てくる。

潤が戸惑うように口を開いた。

「……いいの?」

「……いいもなにも。そのための鍵じゃん」

「疲れてたら、俺、邪魔じゃない?」

「お前といる方が…疲れがとれる」

「…分かった」

潤は、ふわりと笑って頷いた。
その顔が本当に綺麗で、俺は、一瞬見惚れてしまった。


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