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キラキラ

第22章 1ミリのユウキ

やがて。

「…………っ」

潤の指の動きに俺の体が跳ねた。

ぎゅっと引き結んでた口から甘い吐息がもれそうで、わざと、はあっと大きく息をついた。

「ここだっけ?」

潤の指が、みーつけた、とばかりに、同じ位置を擦りあげる。
頷いて、思わず息をのみ、シーツをくしゃりと引っ張った。

「ねぇ」 

「……んっ」

「ねってば」

「……分かんだろっ……ぁ」

「声だして」

「……っ」


声だしてって。
俺が、職員室であっちの世界の潤に、はいた言葉だ。

笑える。
まんま自分に返ってきた。

「翔くん……」

甘く囁きながら、同じ場所を掠めて指を増やしていく潤。
俺は、抱えられて高く上がった足が、ふるふると震えてきたのが分かった。

声を出すのが恥ずかしいから、エッチ中、いつも限界まで黙る俺。

だけど。

指の動きに加えて、潤が俺の胸に顔を寄せて、粒をペロリと舐めた瞬間、

「……ぅあっ…ん」

何かが、吹っ切れた。

「翔くん……」

「……あっ…」

潤が、また嬉しそうにチュッと吸うから、俺は、また甘い声をあげた。

思い出したんだ。
さっき、幼稚園で潤を抱きかけた時。

声出して、つったら素直に反応していた潤。
俺が欲しい、と素直に求めていた潤。

俺は、あのときありえないくらい興奮したし、嬉しかった。

素直になるのは、普段はもちろん、愛を確かめあう行為のときも必要なんだって。
反応したら、相手は嬉しいものだって。

今さらだけど、そんな簡単なことも、あのとき学んだ。

「あ……っ…あ」

「翔くん…ここ…………気持ちい?」

「気…持ちい……っぁ」

「……ほんと?」

「ああ……っぁん」
 
両手を伸ばして潤の頭を抱いた。

恥ずかしいとか、潤がどう思うかとか。
そんなことはあえて、頭から追い出した。

快楽と、潤への思いだけを、追って、俺は、潤の腕に自分を委ねた。

「翔くん……翔くん」

「潤…」

「………平気?」

「も……挿れて……」

息も絶え絶えに、訴えると、潤は嬉しそうに頷いた。

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