
キラキラ
第23章 🌟🌟🌟
ミヤの眉が、ピクリとあがった。
……ビンゴだな
お互いに城からあまりでたことがない身ではあるが、年に何回かこうして、公式の場にでたり、マルシェの見学に行ったりしてる。
そんなとき、たいていついてきたミヤは馬車で具合が悪くなる。
大半、うまく隠しているから、あとになって「実はあの時……」というパターンが多いのだが、今日のような遠出は、隠しとおせなかったようだ。
俺は、まったくそんな事態にはならないのだが、ミヤは、もともと乗り物には弱いらしい。
でも、だからといって、俺の付き人なんだから、来なくていいよなんて言えないし。
言わないし。
ついてきてほしいし。
俺は、そっと場所を移動して、ミヤの隣に座った。
カーテンをひき、外から見えない状態にして、扉の鍵も確認する。
「ほら」
華奢な肩に手をやり、ぐいっと自分の方に引き寄せた。
「や……大丈夫ですから」
「真っ白の顔して何いってんの?」
向こうに到着したときに動けない方が困るんだけど、と、言ってやったら、ミヤは大人しくなった。
ゆっくり体を横たわらせて、俺の膝に頭をのせてやる。
ミヤが、か細く呟いた。
「……すみません」
「いーから。寝てな。着いたら鍵あけるまえに起こすから」
「……ありがとう」
ミヤは、ぐったりと目を閉じた。
俺は、こみあげる笑いを我慢しながらミヤの柔らかい髪の毛を撫でる。
……おまえの唯一の弱点だよね。
櫻の国でも、俺のボディーガードをしてもらわないといけないんだから、少しでも回復しててくれないと。
ミヤの薄い肩をゆっくり擦りながら、俺は、ガラガラゆれる馬車の音だけを聞いていた。
*****
「サトコ姫!来てくださったんですか!」
広間に入った俺を、目ざとくみつけたショウ王子が、キラキラの笑顔で歩み寄ってきた。
「お招きありがとうございます。ショウさん、お誕生日おめでとうございます」
優雅に膝をおって、ご挨拶。
俺は、極上の微笑みで、ショウ王子を見つめてやった。
ショウ王子は、少し赤い顔になり照れ臭そうに、「ありがとう」と言った。
「本当はこの年で、誕生日もくそもないんだけどね」
「そんな。お誕生日は何歳になっても祝うものですよ」
型通りの受け答え。
ミヤは、黙って後ろに立っている。
……ビンゴだな
お互いに城からあまりでたことがない身ではあるが、年に何回かこうして、公式の場にでたり、マルシェの見学に行ったりしてる。
そんなとき、たいていついてきたミヤは馬車で具合が悪くなる。
大半、うまく隠しているから、あとになって「実はあの時……」というパターンが多いのだが、今日のような遠出は、隠しとおせなかったようだ。
俺は、まったくそんな事態にはならないのだが、ミヤは、もともと乗り物には弱いらしい。
でも、だからといって、俺の付き人なんだから、来なくていいよなんて言えないし。
言わないし。
ついてきてほしいし。
俺は、そっと場所を移動して、ミヤの隣に座った。
カーテンをひき、外から見えない状態にして、扉の鍵も確認する。
「ほら」
華奢な肩に手をやり、ぐいっと自分の方に引き寄せた。
「や……大丈夫ですから」
「真っ白の顔して何いってんの?」
向こうに到着したときに動けない方が困るんだけど、と、言ってやったら、ミヤは大人しくなった。
ゆっくり体を横たわらせて、俺の膝に頭をのせてやる。
ミヤが、か細く呟いた。
「……すみません」
「いーから。寝てな。着いたら鍵あけるまえに起こすから」
「……ありがとう」
ミヤは、ぐったりと目を閉じた。
俺は、こみあげる笑いを我慢しながらミヤの柔らかい髪の毛を撫でる。
……おまえの唯一の弱点だよね。
櫻の国でも、俺のボディーガードをしてもらわないといけないんだから、少しでも回復しててくれないと。
ミヤの薄い肩をゆっくり擦りながら、俺は、ガラガラゆれる馬車の音だけを聞いていた。
*****
「サトコ姫!来てくださったんですか!」
広間に入った俺を、目ざとくみつけたショウ王子が、キラキラの笑顔で歩み寄ってきた。
「お招きありがとうございます。ショウさん、お誕生日おめでとうございます」
優雅に膝をおって、ご挨拶。
俺は、極上の微笑みで、ショウ王子を見つめてやった。
ショウ王子は、少し赤い顔になり照れ臭そうに、「ありがとう」と言った。
「本当はこの年で、誕生日もくそもないんだけどね」
「そんな。お誕生日は何歳になっても祝うものですよ」
型通りの受け答え。
ミヤは、黙って後ろに立っている。
