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キラキラ

第23章 🌟🌟🌟


少し眠ったミヤは、だいぶマシになったみたいだ。
真っ白だった顔色も少し色を取り戻していた。

ミヤは俺の後ろで、いつも着なれないよそ行きの衣装を身にまとい、静かに佇んでいて。
そんなミヤの気配を感じるだけで、俺は、すごく安心できた。

ショウ王子は、嬉しそうに微笑みながら続ける。

「贈り物も先ほど受けとりました。恐れ入ります。ありがとうございます」

「いいえ」

ミヤの他に何人かついてきている召し使いから、この城に、宝石や、食物などの大量の品物が運び込まれてるはずだった。
国単位の誕生日パーティーとなると、大層なことだよな、まったく。

俺は、そんな腹の中とは裏腹の表情でにっこりと、微笑んでやる。
これくらいの作り笑いはお手の物だ。


「たいしたものはありませんが、ゆっくりとお食事していってくださいね」

「ありがとうございます」

周りに視線をめぐらすと、大きなテーブルにたくさんのごちそうがところ狭しと並べられ、皿やワイングラスを持った人たちが、立ったまま談笑してる姿が確認できた。


ビュッフェスタイルか。
良かった。
ミヤといれる。


「……また後程参りますね」

「はい」

では、とショウ王子が、早足で他の客の迎えに行ったのを確認して、思わず本音がポロリと出た。

「…あー……かったりぃ」

「しっ。サトコさま」
 
鋭くミヤがたしなめてくる。

「……なんか招待客、女が多くね?」

広間を見渡して、ごちると、ミヤが苦笑いして教えてくれた。

「……櫻の国の王が、そろそろ本気でショウ王子の嫁探しを始めるみたいですよ。今日はその前哨戦みたいなものです」

「……どっからの情報?」

「内緒です」

「……えー……やだよ。俺…」

「ちなみに、サトコさまは、櫻の国王の一押しだそうですよ」

「はあっ……?」

「モテると大変ですね」

「なにそれ、嫌味?」

「……嫌味に聞こえますか」

「しっかりばっちり嫌味だろ!」

ひそひそ言い合ってると、

「サトコ姫!お久しぶりです!」

後ろから元気な声が聞こえてきた。


この声は…


やな予感がして、そろっと振り返ると、ショウ王子に負けず劣らずのキラキラ感をかもしだしてる王子……松の国のジュン王子が立っていた。




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