
キラキラ
第23章 🌟🌟🌟
「てめぇ……じゃない、あなたも招待されてたんですか?」
取り繕うような笑みを浮かべて聞けば、ジュン王子は、優雅に腰を折った。
「はい。ショウとは幼馴染みみたいなもので。国は違いますが、交流は盛んなので、会う頻度も昔から多かったから。仲がいいんです」
聞いたことあるな。
櫻の国と松の国は近いから、国王どうしも仲がいいって。
だからだろう。
ほぼ身内の感覚だからか、パーティーの割には、だいぶカジュアルな格好してる。
いつも、キラキラの、the王子みたいな公式な服装しかみたことないから、白いシルクのシャツに黒の細身のパンツ姿が新鮮だった。
あけられた胸元から白い陶器のような肌がみえ、彼の妙にある色香を際立たせている。
まあ…男前なのは認めるところだ。
「……こんなとこで、お会いできるなんて嬉しいな。ワインどうですか?」
「……いただきます」
ジュン王子は、ワイングラスを大量に持って歩いてる召し使いを呼び止め、ひとつ渡してくれる。
その指先は長くて白くて、女みたいだ、と思った。
「あなたは?」
「私は結構です」
ジュン王子が、ミヤにも聞いてくれたけど、ミヤは丁重にお断りしていた。
広間を埋め行く人を眺めながら、グラスに口をつける。
いい香り。
これ、いいワインだな……。
コクリと一口飲む。
ふと、ジュン王子が、じっとこちらを見ていることに気づく。
「?なんですか」
「……いえ。今日もお綺麗だな、と」
……でた。
タラシな台詞。
はにかむふりをして、目をそらす。
ミヤは、というと少し離れたところで、じっと立っている。
視線ははずされてるが、聴覚はこちらに集中しているだろうな。
あんまり、こんなやりとり聞かせたくもないけど。
俺は、内心渋々と型通りの返事をしてやった。
「……そんなことないです」
「そんなことありますよ。俺は、あなたの美しさに酔いそうです……」
けっ!
砂吐きそう……!
いつの、時代の台詞だよ。
俺は、黙って微笑むのにとどまった。
何かいうたびにドツボにはまりそうだからだ。
またコクリとワインを飲んだ。
