
キラキラ
第23章 🌟🌟🌟
パーティー会場の広間に戻り、人混みにくまなく目を走らせた。
走り回りたい気持ちをおさえて、時折会釈をしながら、ゆっくりとミヤの気配を探す。
……いない。
なんで?
俺は焦りを隠せなかった。
国から、急使でも来て先に帰ったんだろうか。
でも、それならそれで、他の付きの者にも何らかの連絡は入ってるはずだ。
……それとも、彼の身に何かあったんだろうか。
でも。
何かって……何?
こんな、パーティー会場で、危険なことってある?
ぶつぶつ考えてたら、ついに、ショウ王子の締めの挨拶が始まり、俺はその場に立ち止まることを余儀なくされた。
仕方なく前に向き直り、静かに話を聞く。
ショウ王子は、パーティーが始まったころに比べると、堂々とした面持ちで、壇上に立っていた。
「それでは皆様……本日は大変ありがとうございました。どうぞ気をつけてお帰りください」
爽やかな笑顔とともに、ショウ王子が一礼すると、ワッと拍手が鳴り響いた。
そんな気分じゃなかったけど、俺も小さく手をたたいた。
拍手の波がおさまると、貴族たちが出口に向かいゆっくりと移動を始める。
だが、その集団のなかにも、ミヤの姿を見つけることができなかった。
……どうしよう。
段々空いてきた広間の隅で佇んでる俺に、心配そうな声がかけられる。
「……姫?どうかなさったんですか?」
顔をあげたら、ジュン王子が、気遣うような顔で俺をのぞきこんでいた。
「……真っ青ですよ?」
俺は、すがりたい気持ちを押さえながら、できるだけ普通に、と平静を保ち、笑んだ。
「付きの者がいなくて……困ってるんです」
「……あの小柄な男性ですよね」
「はい。……どこに行ったんだか」
ジュン王子は、え……というような顔になり、髪をかきあげながら、独り言のように呟いた。
「……え……あれくらいで失踪……?」
「え?」
「いや、なんでもありません」
「あれくらいとは?」
「いえ。こちらの話」
ジュン王子は、ふるふると、首をふり、目を細めた。
「とにかく。俺の方でもあたってみましょう。ショウにはこのことは?」
「……まだ何も」
「衛兵たちに姿をみてないか、確認とりますから、ショウにも言いますよ」
「はい。すみません……」
大事になりそうで、嫌だったが、ジュン王子に任せることにした。
