キラキラ
第3章 フラワー
カマトトぶるつもりもないから、なんとなくは、想像できる。あの器官を使うんだろうな、と。
でも……
(……ほんとに、あんなもの入んのかよ?)
正直信じられないし、恐いのが本音だった。
あの夜。
潤とのキスは、本当に気持ちよかった。めまいがするほどで、唇を重ねるたびにくらくらした。でも、夢中で、舌を絡めあいながら、頭のどこかで、その先を考えてしまったんだろうな。
潤の手が、服に滑り込みかけた瞬間、俺は逃げてしまった。
……ちょっとがっかりした顔の潤が、忘れられない。
「はあ……」
ため息をついて、片手でネクタイをゆるめる。
うーん、とのびをすると、からだが固まってたのか、肩のあたりがパキパキッとなった。
立ち上がって、脱ぎ捨ててた上着をハンガーにかけながら、ふと。
(聞いてみようかな……)
こんな内容を相談できる相手に、一人だけ心当たりがある。
顔から火をふくほど恥ずかしい内容ではあるけれど……あの人なら、ゆったりと笑って受け止めてくれそうだ。
一人で考えていても、堂々巡りなだけで、きっと答えはでない。
俺は、画面をタップして、短いメッセージを送った。
***** ***** *****
深夜、二時。
帰宅後、シャワーを浴びて、次の日のスケジュールチェックをしてると、メッセージ受信のメロディーが鳴る。
画面をみると、先程、食事に誘った彼の人。
『いいよ』
という、短い言葉。
しばらく間があいて、オッケーマークのスタンプが届いた。
くすっと笑って『ありがと。また連絡する』と、手早く打って、送信。
(っていうか、まだ起きてんの、あの人)
年中、眠たい雰囲気醸し出してんのは、やっぱり夜遅くまで、起きてるからか。