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キラキラ

第3章 フラワー

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J

出掛ける支度をしていると、スマホがピンポーンと鳴った。

画面をみると、翔くんの文字。
その下に、ごめん、とある。

(マジかー……)

がっかりだ。
何を食べに行こうか、いろいろと考えてたのに。
久しぶりに、翔くんと二人きりで会えるかなって期待してたぶん、その反動が大きい。

がっかりしすぎて、スマホを手にしたまま立ち尽くす。

と、またピンポーンと鳴った。

画面には、遅くなるけど行っていい?、の文字。

(いいとも!!!)

俺は、即返事をうった。

翔くんに会える。
ただそれだけが、嬉しい。

うちに来てくれるなら、早めに帰って、何かつまめるものでも作ろう。
アルコールも、もう少し買いたしとこう。

夜は……泊まっていけって言おうかな?

知らねえよ、翔くん。
あなたが、うちに来るって、言ったんだよ。
来るってことは、少しは、期待してもいい?

俺は、あなたに、触れたい。


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「なんか、松潤、今日はご機嫌だね」

「そう?」

「なんかいいことあった?」

「別に」

知らず知らずに、にやけてるみたいだ。

相葉くんに指摘されて、口元をひきしめた。

相葉くんと、二人でテレビ雑誌の撮影を終え、今日の仕事を終えた。
明日はオフ。
しかも、今から翔くんに会える、となったらテンションも上がるでしょう。

「あー、松潤、もしかして明日休み?」

「そっ」

「えー、いいなあ~」

相葉くんが心底羨ましいという顔で、俺を見る。

「明明後日、新曲発表だぞ。練習しとけよ、相葉くん」

荷物をまとめて、にやっと笑い、じゃ、お疲れ様っと手をふる。

「もー!分かってるよ!」

相葉くんの、わめく声を背に、ははっと笑って扉の外にでると、ちょうど通りかかった翔くんのマネージャーと出会った。

「あ、お疲れ様ー」

「ああ、松本さん、お疲れ様です」

「翔くんは?今日はもう終わったの?」

「はい。さっき大野さんと一緒に帰られましたよ」

通りすぎかけた足がピタリと止まる。

「……リーダーと?」


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