
キラキラ
第23章 🌟🌟🌟
ミヤの体調も回復し、俺も食べることができるようになり、やっと帰国できる日がやってきた。
なんだかんだで、ジュンもマサキも自国に帰らず、俺らにつきあってくれていたが、いい加減帰ってこい、と、それぞれの王から連絡があったようで、俺たちが帰る日にあわせて、全員帰国する形となった。
最後に、皆でお茶を飲んでいるときに、ミヤが、突然立ち上がった。
「……このたびは皆様に大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
深々と頭を下げるミヤ。
俺も一緒に立ち上がって、ゆっくり頭を下げた。
「もういいよ。仲直りできて良かったね」
ショウがニコニコして、カップを置いた。
「だよねー。……はい、ミヤさん」
マサキが、砂糖菓子の小さな袋詰めをミヤに差し出した。
「これ。国に帰ったら姫と食べて?」
「あのときの……こんぺいとう…でしたっけ?」
「うん、そう」
「いただきます。ありがとうございます」
ミヤがにこりと笑った。
マサキも嬉しそうだ。
そんな二人を横目に、俺はちょっぴり面白くない。
なんだよ……いつの間にか仲良くなっちゃってさ。また拗ねちゃうぞ。
俺が複雑な顔をしていたら、ジュンが不適な笑みを浮かべてミヤをつっついた。
「じゃあ、もう姫を奪うのを遠慮しねぇからな。せいぜい手を離さないことだな」
「……はい」
ミヤが力強く頷いた。
「あんたと正々堂々戦って、姫を振り向かせて見せるよ」
「俺も。負けないよ」
ショウも宣戦布告だ。
「お手柔らかに」
三人でわかりあってる。
「……」
俺は、一人蚊帳の外できょとんとしてしまった。
…俺をミヤから奪うの?
二人とも俺と結婚したいってことだよね?
いや、でもさあ…これ、事実を言っといた方がいいんじゃない?
勘違いしたまま、俺に求婚して、あとでビックリ仰天って気の毒じゃないの?
俺は勝手にそう判断して、口を開いた。
「あ、でもさ、俺さ…実は、おと」
男なんだよね、という言葉は、小さな舌打ちとともにぐいっとひっぱられ、被さったミヤの唇に飲み込まれた。
「わお」
「おい」
「こら」
三者三様の反応を感じながら、ミヤの濃厚な口づけをうけて、力が抜ける。
ゆっくり舌をぬかれ、ぼんやりミヤを見つめると、至近距離で「なにも言うな」と、目で制された。
まだ言うなって……こと?
