
キラキラ
第23章 🌟🌟🌟
「今から牽制しなくたって、いーよ」
ショウが苦笑う。
ジュンも肩をすくめてる。
俺はなんだかモーレツに恥ずかしくなり、赤い顔でうつむいた。
なぜだか、マサキも、赤い顔になってた。
ミヤだけが冷静な顔で、「念のため、です」と言った。
やがて。
皆様ご準備できました、と、やってきたショウの召し使いの言葉に、みな立ち上がった。
「お元気で」
ショウが歩み寄ってくる。
「……あなたも」
俺は腰をおって会釈した。
ショウ。
あなたには本当にお世話になったよ。
くそ真面目で面白くない男の印象しかなかったけど、それは全て誠実さ故のことだったんだな。
ミヤの捜索の指揮をとるあなたは、なかなかイケメテたよ。
ショウは、さりげなくすっと距離を縮め、俺の耳元で小さく囁いた。
「ミヤさんを襲った男爵。隣国で遺体で発見されました。馬車ごと崖から落下していたとのことです」
「……そうですか……」
「ご報告まで」
短く話を切り、すっと顔をあげるショウはスマートだ。
……そっか。
まあ……良かった、かな。
黙って佇む俺を、ショウはぐいっと抱き寄せ、俺の頬に軽くキスをした。
「え」
思わず硬直。
「おい、ずりぃぞ」
その言葉と共に、反対側から腕をひっぱられ、今度はジュンの胸に転がり込んだ。
慌てて顔をあげたら、至近距離で優しく微笑むジュン。
広くて温かい胸板。
甘い香りを纏い、どこからどうみても、チャラチャラした王子なのだが、その意思の強そうな大きな瞳と、決断力は、今回ものすごく男前に感じたのは確か。
ミヤにも、たくさん話をしてくれたみたい。
…ありがとな。
「……また、近々お会いしましょう」
言って、俺の額にそっとキスをおとしてきた。
「ちょっ……」
二人に立て続けにキスをされ、なんだかドキドキしてしまって、……そんな自分が許せない!
このエロ王子ども!!
キッと、二人を睨んだら、二人とも余裕の笑みで受け止めてきた。
二枚も三枚も上手だ。
くっそー……!
「……あ、あなた方!」
ミヤが慌てるように抗議しかけるが。
「あなたはこっち」
マサキに引っ張られたミヤは、
「またね、ミヤさん」
と、ぎゅうぎゅうとハグをされて、真っ赤になってた。
なんか、マサキキャラ変わってない?!
いろいろ吹っ切れたってこと?!
