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キラキラ

第23章 🌟🌟🌟


「なにしてんだよっ!」

マサキから、力任せにミヤをひっぺがした。
ミヤは、頬を染めて、せわしなく視線を泳がせてる。
ミヤを、俺の後ろにひっぱりこみ、まるで通せんぼするように、俺はマサキの前で仁王立ちになった。

「こいつは、俺以外とのそーいう免疫まったくないんだから!やめてよねっ」

「くふふ。姫、また大の国に行きますね」
 
「来るなっ」

「あーひどい。国王に言いつけますよ?」

「……っ」


まったく、もう……!

プンプンしてる俺を見て、楽しそうにマサキが笑う。

なんでも、ミヤに好意を持っていることを、ジュンにばらされたらしいが、その時点で、この人は飾ることも隠すこともやめてしまったみたいだ。

自分が好きなのはミヤって仲間内に公言してるんだってさ。

軽く睨んだら、おどけて微笑むマサキ。

……だけど。この人の穏やかな笑顔と、優しい言葉には、今回随分と救われた。
本人が意識しない天然な温かさが、この人にはある。
ホントに人のいい人って、こういう人のことだろうと思うよ。


……だけど!それとこれとは別だからな!

俺が一番注意しないといけないのは、こいつかも!

鼻息を荒くする俺の後ろで、しばらく黙ってたミヤが、突然声をたてて笑った。
それをみて、周りの王子もクスクス笑いだした。


なんだよっ。笑い事じゃねーっ!


   
その時、コンコンというノックの音がした。
入り口から、失礼します、と一礼するのは、マサキの付き人のダイゴ。

「マサキさま、まいりますよ」

「えっ?もう?」

「はい、荷物はもう積み終わりました」

ダイゴは大きな瞳を細めて穏やかに微笑む。

マサキが教えてくれたけど、ミヤを最初に見つけてくれたのは、彼なんだそうだ。

先日お礼を言ったら、当たり前のことをしたまでですって、恐縮されちゃったけど……。
本当にこの人たちがいなかったら、と思うとゾッとする。

「じゃあね、みんな!」

マサキが、満面の笑みで手を振った。

「おう」

「またな」

俺たちもふふ、と微笑み見送る。

またな、マサキ。


すると、今度は別の元気な声がとんできた。

「ジュンさま。帰りましょう。姉上が拗ねて手におえないそうです」

「…めんどくせーな。話し相手なら他あたれっつってくれよ……って、こら、ソウ!引っ張るな!」

…なんだか大変そうだ。

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