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キラキラ

第24章 バースト5

「ごめん、悪くとらないで。さっきも言ったけど、それだけ、翔さんが潤くんを大事にしてる証拠だからね」

かずが、また、ふふっと笑った。

翔がモテまくってたことは知ってたし、女の経験があることも知ってる。
しかし、手が早いのは初耳だ。
そこだけ切り取ったらとんだナンパ野郎じゃん……。

だけど、経験の浅い俺が怖がらないように、求める熱量を増やすのを少しずつにしてくれてるっていうのは、正直分かっていた。

いきなり、深い繋がりを求めず、一歩一歩ステップアップして、少しずつ恋人らしくなってゆくのは、照れくさくもあり、また、翔の器の大きさを感じるものでもあった。

でも……そんなん聞くと。

きっと我慢させてんだろうな、と思っちゃうな。

昨日だって。
きっと、俺がチカラさえ発動しなかったら……

「……」

「顔赤いよ。どしたの?」

「……うるせぇな」 

クスクスと可愛らしく笑うかずは、俺をからかって楽しいような顔をしてる。

くそ……悔しい。

「……そーいう、かずたちは、どうなんだよ」
 
雅紀といいことしたりしてんのかよ?

……親友のそういう事態は、あんま想像できないけど。

俺が、じとっとした目でねめつけると、かずは、さらっと事も無げに言った。

「俺たちは、まだなにも。手繋いだくらいだよ」

え。

「……マジか?!」

「相葉くんも、すっごい俺のこと大事にしてくれてるもん」

かずは、今までみたことのないようなデレッとした顔で、笑んだ。

でも、手…しか繋いでないって。
中学生かよ?!

「……キスは?」

「してない」

「……ハグは」

「ん……近いのはあるけど、ガッツリはしてない」

……雅紀という男を昔から知ってるわけではないが、高校生男子なんだから、もっとガツガツしてるもんだと思ってた。

あんだけ、かず、かずって言ってるのに、か。

俺がよっぽど意外だという顔をしてたのだろう。
かずは、苦笑いして、そんな顔しないでよ、と言った。

「いーの。相葉くんと俺のタイミングがあったときにするから」

「かずは……どれくらい経験あるの?」

智さんと、特殊な関係だったというのは、なんとなく知ってる。

それって……

「……まあ、それなりにね」

大人だ。
大人発言だ。
……こんっな、可愛い面をして、そんな答え言っちゃうんだ?!

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