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キラキラ

第24章 バースト5

そこで、ふと昨夜の智さんを思い出してしまった。
衝撃的なほどに妖艶で、美しいという言葉がぴったりだった智さん。

かず相手でも、あんな風に豹変してたんだろうか。

智さんとかず……想像できねぇ……。
てか……どっちがするんだろ…智さんがかずを……? かずが智さんを……?
って!そんなことはどうでもいい!

俺はぷるぷると首を振った。


「ああ……帰りが遅い日は確かにすごいかもね」

取り繕うように昨夜のことを話すと、かずはうーん……と唸って記憶を手繰るように遠い目をした。

「あれでしょ。恋人とギリギリまで過ごしてから帰ってくるからでしょ」  

や…やっぱ、そうなのか。

智さんの恋人。
一回だけ見たことある。
俺が大野家のマンションのエントランスからでたところにとまってた、でかい車にいた。
とはいえ、暗かったし、向こうは車の中で、なおかつ智さんとキスしてたから後ろ頭しか見てないけど。
あのあと、びっくりしすぎて跳んだんだよな、俺。

ガタイのいい男……。
としか、分からない。

でも、智さんにあんな顔させるのは、どんな人なのか、純粋に興味がわくよなぁ……。

「かずは、あったことあるの?」

「智さんの恋人?ないない」

かずは、とんでもないというように、手をひらひらさせた。

「ふーん……」

「でも……会ってみたいとは思ったことあるな。あの智さんだもん」

「……だよなぁ」

うんうんと、頷いていると、ふと、いたずらを思いついたような顔で、かずが俺に身を寄せてきた。

「ね。見に行こうよ」

「……はぁ?!」

「明日の日曜日、智さんさ、出かけるって翔さんに言ってんの聞いたよ。絶対一人じゃないと思わない?」

「……う……うん」

「一目みたら帰ればいいじゃん。そーだ、相葉くんも誘おう!」

「……え?」

かずは、わくわくした顔になった。

俺は、戸惑いをかくせない。

いいのか、そんなことして??
あの智さんにだぞ??
大丈夫か!?ばれないか?!

だけど、これは、かずが相葉くんを誘いたい口実なのかなと、ちょっと思った。
こういう風に誘ったら、自然とデートみたくなるもんな。

…だとしたら、目的をさっさと遂げたら、俺は帰ってやらないとお邪魔虫だよね。

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