キラキラ
第3章 フラワー
「………それは翔ちゃんに関係あるの?」
静かに、智くんが問う。
智くんの顔が見れなくて、俺はうつむいて、小さく頷いた。
「……智くんに、大事な人がいるように、……俺にも大切な人ができたんだ……」
「……松潤?」
息が止まった。
なんで?と顔をあげると、智くんは、フワッと笑った。
「そっかー……松潤の想い、やっと伝わったんだ」
「え……なんで」
「見てりゃ分かるよ。ずいぶん前から松潤は、翔ちゃんにベタぼれだったよ」
そっかー良かったーと、笑顔で繰り返す智くんに、俺は目を白黒させるしかなく。
潤って、そんなに分かりやすかったのか??
俺は最近まで全然きがつかなかったけど。
「ああ……そっか。で、想いが伝えあえてからの……セックス問題ね」
さらっと言ってのける智くん。
俺は恥ずかしくて、穴があったら入りたい心境に陥ってた。
意味もなく、割り箸の入ってた紙を小さくおり畳んだりして。
「なに?やり方?」
「……はい」
つられたのか、智くんも、ちょっと恥ずかしそうにして記憶をめぐらす。
「つか、翔ちゃん、抱かれる側?」
「…………ああ、まあ……」
なんか、いつのまにかそんな雰囲気だし……。
歯切れの悪い返事をする俺に、智くんは、クスクス笑った。
「あのさ。松潤に、全部まかせたらいいんだよ」
「……うん……」
「知識なんていらないよ。その時になったら勝手に体が開くよ。…翔ちゃんは、松潤を感じて、信じてればいい」
信じるっつっても……。
潤だって、オトコは、初めてだろう?
「……松岡くんは上手だった?」
「……あの人も、最初はぎこちなかったよ」
こんなこといったら怒られそうだけど、と、智くんは、ペロッと舌をだした。
そう。智くんの恋人は、先輩の松岡くん。
もう結構長いんだけど、この事実を知ってるのは、嵐では俺だけ。TOKIOでは、城島くんだけだ。
「……その……痛い?」
「……まあ、最初は」
智くんは、少し顔を赤らめた。
酔いも手伝ってか、思わずこっちがドキリとするような、艶やかな瞳をした。
「でも、好きな人とひとつになるって……すごいことだし、すごく幸せな気分になれるよ」
……大丈夫だよ。
智くんの言葉に、覚悟が決まった瞬間だった。