
キラキラ
第24章 バースト5
怖かった。
この濁流のように押し寄せる快感に流されていいものか。
翔に、触られてるだけで……恥ずかしくて目眩がしそうだ。
なのに、この状況に、戸惑いながらも、抗えない自分がいる。
俺は目を閉じながら、翔の肩を強くつかんだ。
「はぁっ……しょぉ……」
浴槽の中だから分からないだけで、きっと俺の先からは蜜がとめどなくあふれでているだろう。
ただ、だだ、翔がリズムよく擦り、高みへ引き上げてくれるのに身を任せている状態だった。
腰にまわされたたくましい腕が体をささえてくれる。
「あっ…ああっ」
体が震えだした。
そのとき、長い指が先端をぐりぐり押してきたから、体がびくりとのけぞってしまう。
「あ……んぁっ………!」
「これ感じる?」
妖しい低い声。
色っぽい艶のある声。
涙が滲む目をうっすらとあけると、翔が熱い眼差しで、俺を見つめてた。
うん………
コクコク頷いた。
薄く笑った翔が、指の動きを少し早めた。
その、リズミカルな指の動きに、俺の腰も無意識にゆらゆら動き始める。
急激に追い上げられ、俺は体がさらに震えだす。
浴室のなかには、俺の喘ぐ声と、チャプンチャプンという水の音が、響く。
「あっ…あっ…あっ」
「……イけ」
ぎゅうっと握られて、低く囁かれて。
頭がくらくらしてきて。
息ができなくなって。
「……っ!」
次の瞬間、俺は生まれて始めて、人の目の前で、精を吐き出していた。
しかも浴槽のなかに。
「……はっ……あっ……」
びくびく体を震わせてると、
「くっ……」
続いて、翔からも低いうめき声がきこえて。
……翔も……イッたかな。
最後にそれだけを思ってから……ゆらりと翔にもたれた。
はぁ…はあ…と、翔の吐息を耳元に感じながら、ふつりと俺は意識を沈めた。
脱水寸前のごとく滝のようにでる汗と、浴槽のお湯にあてられた暑さと。
触られてイクという初めて経験した、いいようのない興奮と。
さらに、さっき暴走しかけたチカラのせいで。
俺の体は限界だった。
