テキストサイズ

キラキラ

第24章 バースト5


でも、この二人はいい恋をしてるな、と思った。

かずが言っていた、恋人としてのスキンシップは、いずれ自分たちのタイミングで、っていうのと、今、目の前で語る雅紀の考えは全く同じだ。

どっちかが、がっついてるわけでもなく。
不満に思ってるわけでもなく。

二人ともが、同じテンポで、ゆっくりこの先の関係をつくっていこうとしてるのって、すごく理想的だな、と思うな。

そんなことを考えてると、また、自分のことを省みて、昨日のことを思い出してしまった。
 
いつもより、少し強引で。
熱くて強い眼差しの翔にリードされて、どうしようもなく溶けてしまいそうになった。

あのとき、確かに俺は体を開きかけた。

あれ多分、あのまま最後まで求められてたとしても、おそらくこたえていた……と思う

……なんだか。
我ながら信じられないけど。

触れられるたびに、好き、が増えてゆく。
キスされるたびに、……触れてみたくなる。


「……潤?」

「……ん?」 

「すっげー幸せな顔してるね」

「なにいって……」

「翔さん優しい?」

「……うるせぇよ」

ニヤニヤと、楽しそうな雅紀の視線から逃れるように……俺は、ペットボトルの中身を煽った。

熱い体と顔を、冷たい紅茶で、冷やした。

それにしても、このオレンジティーはうまい。
今度、翔に差し入れよう。

気がつけば、翔のことを考えてしまう自分に、あきれてしまう。

だって。

昨日よりも、今日は、もっとあの人を好きな自分がいる。
明日は、きっと、今日より好きだ。

……会いたいよ。

昨日会ったばかりなのに会いたい。

できるならずっとずっとそばにいたい。

好きだよ。

翔。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ