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「潤不足で、死にそうだった……」

囁かれ、抱き締められる腕に力がこもる。
俺は、翔の肩口におでこをくっつけて、目を閉じた。

久し振りの翔の匂い。
翔の温もり。

重なった胸から、俺の鼓動が、聞こえやしないか、と思うくらいドキドキする。


ああ……俺、この人が好きだって、改めて感じる。

だから、翔が体を離して、もう一度ゆっくり俺をみたとき、俺は自ら翔の顔に自分の顔を寄せた。
翔が一瞬目を見開いたのを見た。

「……」

「んん……」

そうして重なった唇からは、すぐに翔の舌が入ってきて。

啄まれ、時おり舌を絡め、吸い上げられ。
彼の舌は、生き物のように俺の口の中を動き回る。
俺はその刺激に酔いながら、

「……っ…はあっ…んんっ」

一生懸命に息をしながらついていった。

しんとした部屋に、俺たちが鳴らず水音と、息づかいだけが響いて、妙にいやらしい。

俺は、どんどん熱くなる体を感じてた。

この間泊まった時は、ビックリして戸惑うだけだったけど、翔の熱い舌が、俺の頬にうつり、首すじに移動しても、受け入れてしまう自分がいる。

「……っ……」

智さんを見たからかな。

俺は、この時、素直に翔が欲しい、と思った。
翔と体を繋げたいって思った。

だから。

「……潤……俺……この先に進みたい」

いいか？と、少し余裕のなさそうな声音で、問われたから、俺は微笑むことすらできた。

「…うん…いいよ」

翔は、嬉しそうに俺を抱き締め直し、ふーっと深呼吸してみせた。

「……俺、男と初めてだ」

「……俺なんか、するのが初めてだってば……」

「そっか」

「そうだよ……」

「ドキドキする？」

「……心臓とまりそう」

「下手だったら、ごめん」

「……下手かどうかも…分かんないよ」

言いながら、翔の手が、俺の制服を脱がし、シャツのボタンをはずしてゆく。
お互い、照れ臭いのか、こんなときなのに妙に饒舌だった。