キラキラ
第24章 バースト5
ぼんやりとする視界に、イタズラっぽい笑みを浮かべた翔が、うつる。
彼の喉が鳴ったのを聞き、俺が出したものを飲んでしまったことが分かったが。
「………はぁっ………ぁ」
息を弾ませた俺は、呆然としたまま、何も言えずにいた。
なにが起きたんだろう………
おもむろに体を起こした翔は、机の上にあったティッシュの箱を呼びよせ、ペタペタな手をぬぐってる。
………便利なチカラだね
ぼーっとした俺の視線に気づいた翔は、新たなティッシュをとり、俺の額を流れる汗と、目尻に浮かぶ涙を、拭いてくれた。
「泣くなよ」
「……」
「………気持ちよかったろ?」
「………」
軽くキスされて、悪びれもせずにニコリとされたら、俺はもう頷くしかなかった。
怖がるな、と、長い指が俺の髪を撫でる。
その仕草だけで、気持ちが落ち着く自分がいる。
恥ずかしくても、体は繋げたい。
翔とひとつになってみたい。
その気持ちに嘘はないから。
なんだか、急に肝が座った気がする。
翔は、いとおしそうに俺の頬にキスをし、右手を軽くひねって、再びなにかが入った紙袋をチカラで呼び寄せた。
「…で。…ここからは、俺も未知の世界」
「……え……」
「やり方は教わったから。………とりあえず一緒に頑張ってみような」
ガサガサと中身をとりだして、俺に見せたのは小さなボトルとゴム。
…………教わった?
「………智さんに聞いたの?」
「聞くわけねーだろ、バカ」
俺らを何だとおもってるんだ、と翔は、苦笑いしながら、ボトルの封をぴりぴり破った。
「……さすがに、兄貴にセックスの仕方なんか教われねぇよ。友達にいるんだ。同性カップル」
「……ふぅん」
ちょい、足あげて、と翔の手が俺の右足を高くあげた。
さっきイッたばかりだから体が重い……。
俺はされるがままに、体の力を抜いた。
翔の目の前に晒される俺の下半身。
だけど、もう正直裸なのも気にならなくなった。
そんなことより、この先の行為が未知すぎて。
「……痛かったら、言えよ?」
「大丈夫……」
「ゆっくりするからな」
「……うん」