テキストサイズ

キラキラ

第25章 Count 10


「もう体は大丈夫なのか?」

眼鏡姿の松潤がにっこり聞いてくれるから、うん、と頷いた。
白いTシャツに黒のスエットの部屋着を着てるだけなのに、こいつのキラキラオーラは夢の中でも健在だ。
服にラメ入ってるんじゃね?ってくらい。
コーコーセーのくせに。生意気。


静かに座ってるにのの隣の椅子をひき、座った。

「完食しないと茂子さんが怒るよ?」

向かいから翔ちゃんが、面白そうにからかうのを、「………だろーな」と、頷いた。


なめるように、お粥を口に運ぶ。
鶏の出汁と卵が、口当たりがよくて優しい味がする。
なにも欲しくないと思ってたけど、食べ始めたら意外に食べれるものだな。


ちびちびスプーンを口にいれながら、ふと気づく。


そういや、昨日こいつにおんぶされた記憶があるぞ………。


しんどかった体に、その温もりと香りがすごく安心したのを覚えてる。


俺は、松潤にぼそりと告げた。


「………昨日ありがとうな」

「………」


すると、松潤は、きょとんとして俺を見つめ返した。

あ………あれ?違った?


「え?」

「え?」



………なんじゃ、この反応。



「や、だから、お前じゃねーの?昨日俺をおんぶしてくれてたの」

「あ………俺だけど」

「だろ?」

「つか………どしたの?智」  

「なにが?」

「ありがとうなんて。久しぶりに言われたよ」

「………」



どーゆー意味?


スプーンをお椀に突っ込んだまま、思わず考えてしまった。

お礼を久しぶりに言われただって?

………俺は、どんだけ人でなしなんだよ。


「てゆーかさー。おーちゃんって、昨日から………熱だしてから、急に可愛くなってない?」


相葉ちゃんが、言って、牛乳をこくこく飲んだ。


「か………可愛く?」


何を言い出すんだ、相葉ちゃん。
唖然としていると、


「ああ、それは俺も思った」 


だけど、その言葉に応じるように、翔ちゃんが、頷く。


………どういう意味だよ。


四人の目が一斉にこちらを見つめてるのを感じて、俺は、チラリと遠慮がちにみんなの顔を見渡した。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ