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キラキラ

第25章 Count 10


チャイムがなる。

ガラリと扉があいて、

「うぃー。 HR するぞー」

と入ってきたのは太一くん。
いや、この場合は国分先生かな?

思わず、プッて笑っちまった。

この調子で知ってる人や先輩が次々にでてくるんだろうか。

………松兄もでてくるかな。
いつでてくんだろ。
先生かな。
それとも、同級生?
先輩?

ヤバイ。楽しみ。 

つらつらと、そんなことを考えて、頬杖をついて、ぼんやり太一くんを見つめた。

クラスのやつらにからかわれながら、笑顔で話をしている彼は、人気のある先生なんだろうな、と思った。
少しくしゃくしゃの髪の毛が、いい味だしてる。
大きな目を優しく細めて、俺を見た気がしたから
、少し笑ってみた。
すると、国分先生は、嬉しそうに頷いて、今日の予定を話し始めた。
まるで、よしよし、ちゃんと来てるな、と確認されてるみたいだった。

ふと。

横から視線を感じて、松潤をみると、意外そうな顔をしてこちらをみている。
なに?と小声で問いかければ、

「いや……今日は、寝ないんだな、と思って」

「………まだ、来たばっかじゃん」

「いつも来たと同時に寝てるから」

「マジで」

ポカンとしてしまう俺に、松潤はくすくす笑った。

「マジ面白ぇー………智、最高」




授業も、昼休みの時間まで、あと一時間を残すところとなった。

「すごいじゃん、おーちゃん!ずっと起きてるね!」

振り返った相葉ちゃんに感心される。


これは、ほめられてると思っていいんだろうか。


しかし、実は授業に新鮮味を感じたのは最初の20分だけ。
そのあとぼんやり考え事をしてる時間が続き。


いつも寝てるキャラなら寝てもかまわないよね?


既に眠気のスイッチが入ってた俺が、ふわぁーと欠伸をするのをみて、松潤が眉をひそめた。


「え………この次の時間は、やばくね?木村だろ?」

「あ………ああ………そっか。おーちゃんついでに頑張って起きてなよ?次は寝たらまずいよ?」

「………マジで?ちょー眠いんだけど」

「ダメダメ。次はヤバイから。寝るならサボった方がマシ」

「………そんなに?」

「木村は、マジ。寝そうなら今のうちに生徒会室にでも行っとけよ」

松潤がポケットから鍵をだしてこちらに放り投げた。

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