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キラキラ

第25章 Count 10


結局。

誰もいないタイミングで、相葉ちゃんたちに引きずられるように湯船からでた。 

「おーちゃん。大丈夫?」

「………あんまり大丈夫じゃない」


熱いのが苦手な俺は、完全にのぼせてしまい、脱衣所の暑さですら、耐えきれなくなり、シャツをはおっただけの状態で、相葉ちゃんとにのに抱えられるようにして、自分の部屋に戻った。

ベッドに寝ころび、目を瞑る。


「エアコン最強にしてあげるね」

「………ああ」

「冷たい水、ここにおいとくね」

「………さんきゅー」

「………大丈夫?」


至近距離の声音に、ゆるく目をあけたら、二人が心配そうな顔でのぞきこんでいた。

俺は、苦笑して、うん、うん、と頷いた。

かっこわりーな、俺。

片手で流れる汗をぬぐっていると、


「………智もいい人いるんだね」


良かった、と、にのがニコリとした。


「いるんだろうな、とはうすうす感じてたけど、おーちゃん、なかなか自分のこと話してくんないもんね」


相葉ちゃんも優しく笑う。


「でもさ。彼氏に言っておきなよ?あんだけ跡つけたら、ダメ。かくせないから、ほどほどにって」

「………おう」

よくよく考えたらものすごく恥ずかしいこと言われてる。
俺は、かあっと赤くなりそうな顔を見られまいと、背けた。


じゃあ、ゆっくり休んでね、と、二人がでてゆく。


「………暑……」


はおってたシャツを脱ぎ、水を一気に飲んだ。

そうして、ふと。
気になり、部屋の隅の鏡に近寄って、そっと自分の背中をうつす。


「ー………」


なるほど。
背筋のラインにそって、あちこちに花が咲いていた。
虫刺されとはいえない。
誤魔化せないレベルだ。 


「………ここにも………」


背中から脇腹にかけて。
よく目をこらせば、内腿や、腰にも散ってる。

そっとそこに指を這わした。


「………」


ズクン………と、胸が高鳴った。
同時に脳裏によみがえる、松兄の低く甘い声。



………智………こっち向けよ。

………ああ、こら。足広げろって。

ほら。気持ちいいだろ……?

……なぁ…愛してる………智。


「………っ」

急激に体の熱が、あがった気がした。

血流が一気に中心にむかって流れ出した感覚。





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