キラキラ
第25章 Count 10
トッカツシツとは、特別活動室の略らしい。
何故か怯える学生に、その部屋の場所を聞きだし、中庭を再び引き返した。
その校舎………南校舎は、特別教室ばかりが入ったところで、中庭からは一番遠くの位置にある。
入り口から、校舎を見上げた。
下校時刻をまわっているからか、なんだか建物全体がしんとしていた。
………ほんとにここに変更になったのか?
なんだか人気がなさすぎる気がするけど。
一抹の不安を感じながら、二階の一番奥の部屋にむかい、扉に手をかける。
カラカラ………と静かな音ともに扉をあけたら、中は長机が何台モ並んだ会議室のような場所だった。
電気すらついてない。
さすがにおかしいと思い、
「………松潤?」
小さく呼びかけ、顔だけのぞかせた。
みんなまだ来てないだけかな?………と、思った瞬間、後ろからものすごい力で突き飛ばされた。
「うわっ………!」
がしゃんがしゃんと、机につっこみ、派手な音がした。
一瞬何がおきたか分からなかった。
肘を机にうちつけ、
「………って」
と、呟いた時、バシンと扉が音をたてて閉められたのに気がついた。
顔をあげると、そこには見たこともない男子学生が、表情のない顔をしてたたずんでた。
そのとなりに二人。
片方は、さっき俺に、生徒会室からここに変更になった、と言いにきたやつだ。
………なんだ、これ。
不穏な空気を察し、瞬時に身の危険を感じる。
反対側の扉に目を走らせ、走り出そうとしたら、逃がさない、とばかりに、蹴り飛ばされた長机が俺の行く手を阻んだ。
小さく舌打ちをする。
……あー…なんか、これぜってーめんどくさいやつだ。
内心うんざりしながら、
「………なんか、用かよ」
仕方なく、聞いてやると、
「用?………どの面下げてそんなこといえるんですか?」
なんて、答えが帰ってきた。
………マジかよ。
相手は明らかに怒ってる。
丁寧語なのに、びしばし敵意が伝わってくる。
なんで怒ってんのかサッパリ分からないが、暴れん坊おーのくんのせいなんだろうな。
………つか。
やめてくれ。
いやだぞ………コーコーセー相手に喧嘩なんか………!