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キラキラ

第25章 Count 10


え………じゃあ、俺は、完璧に巻き込まれたわけ?

目で、相葉ちゃんに訴えたら、相葉ちゃんは気の毒そうに頷いた。


………マジかよ………


「とにかく。もう俺に絡んでくるな」


松潤は、苦虫を噛み潰したような顔で、吐き捨てた。


ちょっとヤバイやつだから、潤がつきあってる相手………すなわち、翔ちゃんに危害を加えかねない。
だから、潤は誰とも付き合ってない、というスタンスを貫いている、と相葉ちゃんが教えてくれる。


なのに、思い込みの激しいやつは厄介で。
潤があまりにも俺のお世話をしてくれるのをみて、てっきり彼の恋人は俺だと思い込んでたらしい。


………なるほど。


「じゃあ教えてください!付き合ってる人いますか??」

「だから、いねーっつってんだろ!」

「いないなら俺と付き合ってください」

「断る!」

「なんで?いないんでしょ」

「いなくてもお前とは、付き合わない」

「ほ、ほら、お試しで!」

「バカか、てめーは!」

「はっ!じゃあ、やっぱり会長と付き合って………」

「だから、違うっつってんだろーが!」


堂々巡りとはこのことか。

真面目に会話につきあってるだけ無駄な気がする。

未だに相葉ちゃんに抱きすくめられてることに気づき、そっとその手をおさえたら、相葉ちゃんははっと、気がついたように解放してくれた。

………もう暴れないから、と言ったら、相葉ちゃんは、うん、と頷き、俺の頬にそっと触れ、心配そうな眼差しになった。

殴られた頬が今さらヒリヒリしてきたけど、大丈夫、と頷く。


その時。


「………俺だよ」

静かに二人の会話に割ってはいったのは翔ちゃん。

潤がぎょっとしたように振り返った。
翔ちゃんは、苦笑いを浮かべて、………それから少し厳しい顔になった。


「潤と付き合ってんのは、俺だよ。だから、もう潤にも智にもつきまとうな」

「おい………っ」

「いいんだ、潤。関係のない智にこんなことされてまで、俺は守られたくない」


美形くんの目が大きくなった。


「………あんただったんだ」


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