
キラキラ
第3章 フラワー
「……とりあえず、コーヒーでも飲んで落ち着こうか」
ぼんやりしてる俺をみて、リーダーは、クスっと笑った。
いろんなことが、いっぺんに起きて、頭のなかが混乱してる。
リーダーに、はい、と湯気のたつ紙コップを渡されて、フワフワする足どりで、パイプ椅子を引き寄せて座った。
……何から考えたらいいだろう?
何見た?
何言われた?
……っていうか、リーダーだ。
異常に色気のあったリーダーだ。
あれ、やばいだろ。
俺は、紙コップにむかってフーフーしてるリーダーに、目を向けた。
今は、色気の、いの字もない普通のいつもの姿。
さっきのは、幻だったんじゃないか、と思えるほどギャップに戸惑う。
「……いろいろ、聞いてい?」
「うん」
ずずっと、コーヒーをすすりながら、リーダーがこくっと頷く。
「あれ、マジのキス?」
「……うん」
「……松兄は、……リーダーの恋人?」
向かいで、紙コップを両手で持ち、「……うん」、と頷いたリーダーは、ふわっと笑って、照れくさそうに付け加えた。
「……みられると、恥ずかしいもんだね」
見ちゃった方も、恥ずかしいっての!
無邪気に笑うリーダーが、可愛くみえてくるから不思議だ。
意外といえば、意外。
納得といえば、納得。
裏番長と言わしめる、強面ながら人望厚い松兄と、リーダー。
(どんな風にして出会ったんだろ……)
純粋に興味がわく。
あれ。でも、確か。
「翔くんは、この事知ってんだ?」
「……つきあはいはじめの頃、翔ちゃんにいろいろ迷惑かけたからね……」
記憶をたぐるように、リーダーは、遠い目をした。
「じゃあ、もう長いの?」
「五、六年になんじゃねーかな……」
そんなに長いんだ。
心底驚いた。
今までTOKIOと一緒の仕事なんか山のようにあって、それこそ松兄個人との仕事だってあって、たくさん絡んできたはずなのに、全くそんな素振りもみせず、隠しとおしてた二人に感心する。
……そうだ。松兄、こうも言ってた。
翔くんが待ってるだの、なんだの……
(…………)
かっと顔が赤くなるのが自分で分かった。
「…………俺と翔くんのことは……」
「あ、ごめん。それは俺が松兄に言っちゃってて」
あの人すぐ、からかうから……と続けるのを遮る。
「ちがう。そもそもなんで知ってんの?」
