
キラキラ
第3章 フラワー
だって…、と、リーダーは、首を傾げてこちらを見る。
「分かりやすかったよ。松潤の翔ちゃん大好きオーラは」
(……え)
ドキリとして、固まる俺に、クスクス楽しそうに笑ってリーダーは続ける。
「俺と翔ちゃんが、二人でいるときなんて、俺、お前にすげー目でにらまれたよ」
「嘘だよ…」
「嘘じゃねーよ」
肩をゆらして、リーダーは、我慢できないって感じでもっと笑った。
「心配しなくたって、とりゃしねーよって、何回言ってあげたかったか」
俺は、恥ずかしくて、黙るしかなく。
「でも……そんな松潤の想いが、翔ちゃんに通じたんだって分かってさ。俺まで、なんだか嬉しかった」
優しい声音のリーダーの目をチラリとみると、本当に暖かい目をして、俺を見つめてた。
気恥ずかしくなって、俺は、ぬるくなったコーヒーを、ごくごくっと飲んでごまかした。
「……ルール違反だから、あまり言えないけどさ、俺、一昨日翔ちゃんと飲んでさ」
知ってるよ……そのせいで、俺風邪ひいたし。
「言ってたよ。お前とシたいって」
「…っ……ゴホっ…!」
思わずむせてしまった。
大丈夫?と、にこにこしてるリーダーは、とどめに言った。
「でもね。やり方が分からないって。だから、言っといたよ。松潤に任せなって。お前、しっかりリードすんだぞ??」
ゴホっゴホっと咳をしながらも、すごいことを言われてることが分かる。
爆弾発言だよ……リーダー!
「やべ。全部しゃべっちった」
てへっと可愛く笑うリーダーを、茫然と見つめる。
あんた、さらっとすげーこと言ってるんですけど……。
多分、俺……真っ赤だ。
その時、ガチャっと音がして、うわさの人の声が。
「おはよー。」
「あ。翔ちゃん、おはよ」
て、このタイミング??!
俺は反射的にうつむいてしまった。
「智くん、早いじゃん。潤、お前、まだ熱あるんじゃね?顔、赤いぞ?」
翔くんは、心配そうに鞄をおいて、こちらに歩いてくる。
大丈夫だから!と、上ずった声になってしまう俺を、リーダーは楽しそうに見てる。
(くっそ……覚えてろ、リーダー……)
心で悪態をつきながらも、俺は晴れやかな気分だった。
翔ちゃんがリーダーと会ってた理由。
俺に話さなかった相談事。
そういうことだったんだ……。
