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キラキラ

第27章 かげろう ~バースト6~


「仲いいね」

からかうと、潤くんは幸せそうに頬を染めた。

「……おかげさまで。……つか、かずたちは?」

「ん?」

「……うまくいってんの?」

「うん。明日も会うよ」

「そっか。二年になって、雅紀とクラス離れちゃったから、あまりゆっくり喋れてなくて」

「うん。相葉くんもそう言ってた。潤くんと離れて寂しいって」

「そっか」


感情の揺れにより、すぐに瞬間移動してしまうことを気にして、ずっと自分の殻にとじこもってた潤くん。

相葉くんだけが、潤くんが気を許す唯一の人間だったらしい。

翔さんたちとの出会いによって、その悩みは少しずつ解消され、今や、潤くんは相葉くん以外の友人とも、つるむようになったとか。

すごく良かった、と、そう言って微笑む相葉くんは、優しい目をしていた。


……そう。
相葉くんは優しい。
いつでも周りに気を配り、朗らかに笑ってる。


それは、俺に対しても言えること。

俺たち、つきあいはじめて大分たつけれど、相葉くんは、いつでも俺のことを考えてくれるんだ。

……例えば、体のあまり丈夫じゃない俺に無理をさせないとか。

例えば……俺が嫌がることはしない、とか。


きゅっと唇をかんだ。


嫌じゃないんだけどなぁ……。


恋人としてのステップは、俺たちのタイミングでいいと思ってたけど、いまだに手も繋いだことのない俺たち。

当然、キスもまだなら、体を繋げるなんて論外で。

これまではそれでも別にかまわない、と思っていた。

相葉くんのそばにいれることに幸せを感じていたから、そんなことしなくても全然気にならなかった。

だけど、こうやって身近に幸せそうなカップルがいると、少しだけ……ほんの少しだけうらやましいな、と思ってしまうようになってる自分がいる。


一度だけ目撃した、情事後の翔さんと潤くん。

翔さんのたくましい裸の肩の陰に、隠れるようにして、同じく白い肌をさらしている潤くんがいた。

一度だけ目撃した、情事中の智さんと松岡さん。

裸の体を繋げ、絡み合いながら、一緒に高みをめざして愛し合っていた。


……みんな、幸せそうだった。


ねえ、相葉くん。

そろそろ俺に触れてもいいよ……?

俺もあんたに触れたいな。

相葉くんはそうじゃないのかな。

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