テキストサイズ

キラキラ

第27章 かげろう ~バースト6~

*****


相葉くんとのデートコースはだいたい決まってる。
いつもの本屋や、スポーツ店なんかを一緒に見て回り、やってきた家電量販店。

最新のスマホや、ゲーム、パソコンなんかを、あーでもないこーでもない、といいながらまわるのは、楽しい。

今日は、何故か健康器具なんかが売ってるところに足をとめ、お試しのマッサージチェアに並んで座ってる俺たちだ。

いつもは、お年寄りや、おばちゃんたちが占領してるこのスペース。
たまたま今日は誰もいないから、やろやろ、と二人で笑って座ってみた。

相葉くんのは、内蔵されたローラーが背筋にそってコロコロ上へ下へ動いてるらしくて。

「あー気持ちいー」

だらしなく両足を投げ出して、気持ち良さそうに目を閉じてる。

そんな相葉くんをみて、くすりと笑った俺も、自分の椅子のスイッチをいれて、背もたれにそっと背を預けてみた。

すると俺が座ってるやつは、軽いモーター音とともに、うねうねと肩のあたりの機械が動き出した。
おばちゃんたちには気持ちいいんだろうが、肩こりしていない俺には、見当違いなマッサージだ。


「……ぁはっ」


くすぐったくて、思わず変な声をあげて笑ったら、相葉くんが、驚いたような顔をこちらに向けて、何故だか真っ赤になってた。


「?」


一瞬気になったものの、気持ちいいんだか痛いんだかよく分からないこの椅子に、再び、肩をいいようにもまれ、アハアハと笑ってしまう。


「いたっ……はっ……ぁあ」


「ちょっ……かず!あっち!あっち行こう。ストレッチ」


相葉くんが焦ったような顔で、スイッチを切り立ち上がった。

順番待ちの人もいないのに、せっかちだなぁ、と思いながら、


「……?うん」


妙に急かされ、移動した。

それから、必要ないのに血圧をはかったり、ストレッチ用のゴムを引っ張って体の柔らかさを競ったりして、遊んだ。

相葉くんは、スポーツをしてるだけあって、すごく柔らかかった。

俺は……まあまあだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ