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キラキラ

第1章 アーモンド

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S

(…普通に笑えるわけ、ねえじゃん)


カメラマンからダメ出しくらったけど、顔が熱くなってるのが自分でも分かって、どうしようもない。

(近い近い!)
潤が体をよせてきて、肩と肩が、ピッタリくっついたから、思わず半歩横によけそうになりギリギリで踏みとどまった。
触れてるところから、潤の体温を感じて、心臓がはねあがる。

いつもなら気にならない距離だ。
仲良しなグループという位置づけの俺たちには、必要以上に、密着して、撮影ってのもよくある話なんだけど。

さっきのキスが頭をかすめて、どうにも自分を保てない。

(潤はどうなんだろ…)

意識してるのは俺だけ?

そっと表情を伺うと、いつもより固い気はするものの、いつもの潤だ。 
「ん?」という顔をされたから、「いや、なんでも」と、 返す。 

悔しいくらいに普通すぎて、さっきのは夢だったんじゃないかとさえ、思う。 

(…ずりぃぞ…)

しかけといて、なんてことない顔をしてる潤に、ちょっと苛立った。

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