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キラキラ

第1章 アーモンド

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S

「あ、J」

五人出演のレギュラー番組での待ち時間。

珍しく楽屋のテレビをつけて、ピコピコチャンネルをかえてたニノが、呟きとともに指をとめた。

「J、わっかーい」
「これ何年前だったっけ?」

ニノと雅紀が、騒いでる。
新聞をめくる手をとめて、俺も顔を向けた。

テレビからながれてるのは、数年前の潤のドラマの再放送。俺たちがブレイクするきっかけのひとつになったラブコメだった。

「やめろよ…」

恥ずかしいのか、苦笑いしながら、潤は雑誌から顔をあげない。

(へー…確かに今みるとえらく若いな)

物語は佳境だった。

「松潤は、やっぱり絵になるね…って、おおっ、チュー!」

(……なに)

ドキリとして息をのむ。

画面の潤が顔を傾けて…

雅紀が、興奮して、ニノの肩をばんっとたたく。
「ったいよ、あいばか」
「やめろって」

ニノの言葉に被さるように、潤は一言吐き捨て、リモコンに手をのばして電源を切った。


一瞬楽屋に流れる変な空気。


「恥ずかしいよなあ?自分のキスシーンみられるの」

のんびりとした声で、その場を救ったのは智くん。

「俺も、たくさんラブシーンしてっから、みんなにみられてるかと思うと…」
「いや、あなたこないだの社長役が、初めてでしよ」
「言うなよ、それ」

智くんとニノがアハハと笑って、その場の空気が変わった。


潤は、何事もない顔で、雑誌に再び視線をおとして。

俺はというと、…なんだかチリりとする胸のうちの正体がわからずにいた。

(なんだろ)

すごく嫌な気持ちになった。

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