
キラキラ
第29章 バースト7
「誰だ、あいつ」
階段をおりてゆく後ろ姿をにらみつけながら、翔が面白くなさそうな声をだした。
「……え、知らない」
「はぁ?知らない?」
「こないだ本屋で話しかけられた人」
「なんだ、それ」
不機嫌になった翔に、俺はこの間の出来事を説明した。
すると、黙って聞いていた翔は、眉をひそめて息をついた。
「……そーいうの……危険な匂いプンプンするんだけど」
その呆れた口調に、なんだか何もしてないのに責められてるみたいで、ちょっぴり言い返してみる。
「……危険ではないっしょ」
別に……たいして話もしてないもん。
すると、翔は、イラッとするように出口に消えたあいつを顎で指した。
「……自覚足りねぇな。そんなこと言ってるうちに口説かれたりすんだぞ。とりあえず気をつけろ」
翔はぼそりと言って、立ち上がった。
慌てて俺も腰をあげた。
「やっ……も…翔」
半泣きで懇願する。
翔の自室で抱かれてる俺は、さっきからちっともイカせてもらえなくて。
翔は、そんな俺の目元にキスをして、ふふっと笑う。
「……いいよ。自分で動いてみ」
「あ…っ……いや」
ぐっと突き上げられて、翔にしがみつく腕に力をこめた。
最初は普通にしてたのに。
変なスイッチが入ったのか、翔は俺を抱き起こし、俺が翔を跨がる体勢に持ち込んだ。
騎乗位っていうんだって。
……奥の奥まで翔を感じれるのはいいんだけど、感じすぎて変になりそうで。
自分でうごけずに硬直したままの俺を、翔は楽しそうに揺さぶった。
「ああっ……んんっ」
翔の首にぎゅうっと顔をおしつけた。
中途半端に支えてた足腰に力が入らなくて。
最奥まで突き刺さるものが、翔の揺さぶる刺激で、抉ってくる。
「やだっ……やっ……」
いつもより鋭い感覚に翻弄される。
天を向く俺自身も、さっきからたえず先走るものをたらし続けて、限界に近くて。
「しょぉ……もう……」
目尻に浮かぶ涙が、一筋流れると、翔は苦笑いして俺を揺さぶる力をいっそう強めた。
「ダメだ……おまえの涙に弱いわ、俺」
低く言った翔は、俺を後ろのマットに押し倒す。
自分のものを夢中で扱きながら、俺は嬌声をあげた。
「……ああっ…も、ダメ……っ」
「ん……イけ」
「……っ……あぁっ!」
